カテゴリ:歴史あれこれ
![]() 雪の旭岡山神社参道を上る横手のぼんでん ・梵天(ぼんてん)地名は秋田県に特に多い 仏教に関わりのある梵天(ぼんてん)が地名に取り入れられていて興味深い。 梵天は古代インドの神ブラフマーが仏教に取り入れられたもので、、仏教の守護神の十二天の一つ。帝釈天と一対として祀られることが多い。(参考・梵天 - Wikipedia) 秋田県大仙市円行寺梵天畑(ぼんてんはた) 秋田県秋田市雄和繋梵天野(ぼんてんの) 秋田県由利本荘市中梵天(なかぼんてん) 秋田県由利本荘市鳥海町百宅梵天平(ぼんてんだいら) 山形県東田川郡庄内町余目梵天塚(ぼんでんづか) 福島県福島市仁井田梵天(ぼんてん) 愛知県小牧市藤島町梵天(ぼんてん) 「梵天」地名は東北地方を中心に各所にあり、特に秋田県に多い。 しかしなぜか、マピオン-梵天で調べても、横手市内にその地名は見当たらない。 ただ、菅江真澄・雪の出羽路には、大森村の項にこの地名が随所に出ている。 『・大森村 文田山(もんでんやま)、また梵天山ともっぱらいう処あり。 ・大森の郷田地字所 梵天下河原 ・上溝村 梵天野 ・保呂羽能山路物語 梵天塚 』 かつて横手市大森にあったこれらの地名は、現在に伝わっているか気になるところである。 様々ある「梵天」の意味 goo国語辞書で探ると、ぼんてん【梵天】の意味には様々ある。 『出典:デジタル大辞泉 1 仏語。色界の初禅天。大梵天・梵輔天・梵衆天の三天からなり、特に大梵天をさす。淫欲を離れた清浄な天。 2 修験者が祈祷に用いる幣束(へいそく)。 3 大形の御幣の一つ。長い竹や棒の先に、厚い和紙や白布を取り付けたもの。神の依代(よりしろ)を示す。 4 棒の先に幣束を何本もさしたもの。魔除けとして軒などにさした。 5 延縄(はえなわ)・刺し網などの所在を示す目印とする浮標のこと。 6 「梵天瓜」の略。 7 耳かきの端についている、球状にした羽毛。細かな耳あかを払うためのもの。』 形を変えて各地に伝わる梵天祭り この中で、3の大形の御幣の一つが祭りとして発展したのが、秋田県内各地に伝わる「梵天(ぼんでん)祭り」である。 秋田市・太平山三吉神社の三吉梵天祭(みよしぼんでんさい)は毎年1月17日に行われる。 同神社のHPに三吉梵天祭の由来が詳しい。 『・梵天の形 元来は、御幣や小さな稲穂の形をしていたものが太平山頂上奥宮に奉納されていたが、現在では、竹カゴを色どり豊かな布や錦で飾り付けたものが一般的である。 ほうづきと呼ぶ頭の部分と、鉢巻、本体、中心の棒からなり、御幣・三角守り・飾りが付いている。 慶応3年、里宮(広面赤沼)が藩主より神社に寄進されてからは、三吉信仰の高まりにより拝観者も増え、年を追う毎に祭りは目立つ華やかなものとなった。 ・奉納の意義 太平山が五穀豊穣の神が鎮まる霊山として崇敬を受けてきたことから、梵天奉納は年の始めに「五穀の豊穣」や「商売繁盛」、「家内安全」を祈ることが元々のおこりと考えられる。 』(概要記載) 秋田県横手市の旭岡山神社へ奉納される横手のぼんでんも豪華で勇壮な祭りとして知られる。 『毎年2月17日に旭岡山神社へ奉納される横手のぼんでん(梵天)は、豪華な頭飾りが特徴的な小正月行事で、約300年の歴史を誇る。 また前日には、頭飾りの出来栄えを競う「ぼんでんコンクール」が開催される。 横手のぼんでんの特徴は、大型であることと、豪華絢爛な頭飾りにあり、若者たちが奉納に際して先陣を争って押し合う様子は壮観である。 ぼんでんは、かつて旧暦1月17日に奉納されてたが、昭和27年から新暦2月17日に改められ、「かまくら」と一体的な観光行事になっている。 』(参考・(冬)横手のぼんでん | 横手市 秋田県大仙市大曲の川を渡るぼんでんもユニークな梵天祭りとして知られる。 毎年、建国記念日の2月11日にその祭りは行われる。 『花館地区の各町内から出発したぼんでんは、ほら貝を鳴らし、ぼんでん唄を歌いながら、町内を練り回る。 そして、一の鳥居前でもみ合いをした後、川舟で雄物川を渡り、伊豆山山頂の伊豆山神社に奉納する。 』(参考・川を渡るぼんでん | 秋田県大仙市) ![]() 冬の民族行事、大仙市大曲の川を渡る梵天 横手市や大仙市は、祭りが観光化して一層華やかになったのはいいのだが、「ぼんでん」とひらがな書きして広報宣伝しているのは、「梵天」本来の意味合いが薄れているように感じられて、少し気になる。 栃木県宇都宮市の羽黒山梵天祭りも賑わいのある豪壮な祭りだが、梵天の飾りが秋田県とはかなり違う。 こちらの梵天の方が、本来の御幣に近い姿を維持している。 ・山や川、遺跡にも梵天の名 出羽国と陸奥国の戦国大名で仙台藩初代藩主の伊達政宗は、独眼竜と呼ばれ、幼少期の名を梵天丸といった。 福島県には、梵天川(ぼんてんがわ・田村市)や、梵天大滝ぼんてんおおたき・南相馬市)がある。 山形県庄内町に近年になって発見された梵天塚古墳がある。 昔から正直山、上人塚などと呼ばれた場所で、昭和49年に発掘調査を行ったところ古墳であることが判明し、梵天塚古墳と命名された。 遺跡は11世紀頃のものと推定されている。 茨城県常陸太田市島町に梵天山古墳群がある。大部分が茨城県の指定史跡である。 大阪府と和歌山県の境にある梵天山展望台は、りんくうタウンや関西国際空港から、遠くは明石海峡大橋までの夜景が一望できる夜の絶景展望スポットである。 神奈川県横須賀市の立石梵天の鼻は奇岩「立石」がそびえ立つ磯で、釣りの名所である。 釣りの情報サイトによると、メインターゲットはクロダイで、メバルやウミタナゴがよく釣れるポイントがあるという。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017/03/12 05:20:13 PM
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