862646 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

山行・水行・書筺 (小野寺秀也)

山行・水行・書筺 (小野寺秀也)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

小野寺秀也

小野寺秀也

Category

Archives

2024.04
2024.03
2024.02
2024.01
2023.12

Recent Posts

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Rakuten Card

Favorite Blog

クサノオウ・スイカ… New! じじくさい電気屋さん

「フォト蔵」がおか… New! ひでわくさんさん

GWスタート New! パパゴリラ!さん

コップの中の泥仕合… New! 佐原さん

ウクライナで西側が… New! Condor3333さん

Comments

Freepage List

Headline News

2017.09.29
XML
カテゴリ:街歩き

 地下鉄一番町駅を藤崎の西の北口から出て時計を見ると、午後7時にはまだ4分ほどある。金デモはまだ元鍛冶丁公園を出発していないはずだ。デモの出発が5,6分遅れるのはいつものことだから、間に合うかもしれない。少し急ぎ足である。
 午後から東京、赤坂見附で会議があった。会議が終わったのは午後4時を少し回っていた。挨拶もそこそこに赤坂見附駅に急いで、地下鉄丸ノ内線に乗る。具合のいいことにホームへの階段を降り切ったところに電車が入ってきた。東京駅に着いたら、6分後に出る仙台行きの新幹線の案内があった。
 
 あいかわらず一番町には人が多い。その人混みの向こうから脱原発コールが聞こえてこないかと耳を澄ますが、何も聞こえてこない。私は耳が悪くて、雑音のレベルが高い環境ではとても苦労をする。聞き取れないだけなのかと心配して見るが、何のことはない、デモコースを逆にたどっているので何も心配する必要はないのである。
 三越の手前、元鍛冶丁通りに曲がると、突然大きなコールが聞えだし、デモがやってくる。ザックからカメラを取り出し、撮影条件をセットしているうちにデモは一番町に出てしまった。写真はそこから撮りだす。







一番町(元鍛冶町通り~広瀬通り)。(2017/9/29 19:01~19:07)


 デモ出発前の集会でどんなスピーチがあったのか知る由もないが、少なくとも私にはブログに書き留めておきたいようなアップ・ツー・デートな原発関連の話題がない。ネットは、総選挙がらみの民進党と希望の党の動向が満載で、原発のニュースは霞んでしまった。せいぜい、東電柏崎刈羽原発の新規制基準合格の判断決定が延期されたというニュースが聞えてきた程度である。
 それにしても思いもよらないことが政治には起きるものだ。野党第1党が綱領も政策も定かではないできたてほやほやの党にそっくり身を委ねてしまうというのだ。自公政権の憲法改正に反対し、戦争法案に反対していた党がそれを是とする新党にほぼ無条件で入れてもらいたいというのである。しかも現職国会議員の誰を入れるか入れないかはその新党が判断するのだという。いわゆる全面降伏の態なのである。
 ただ私は、民進党はいずれ右翼とリベラルに岐れなければならないだろうと思っていた。そうでなければ、それぞれの政治意志は貫徹できないはずだと思っていた。それが、極右の政治家がヘッドである希望の党に民進党衆議院議員全員が公認を申請するというニュースに本当に驚いてしまった。民進党には矜持をもって政治的信念、政治意志を貫こうとする政治家は一人もいなかったのかと思ったのだ。
 しかし、その後、希望の党には参加せず、今度の選挙を無所属で闘うと表明する国会議員がポツポツと現れ始めた。そんなごたごたする政局の中で私が喜んだニュースは、希望の党の小池百合子が「リベラルは入れない」と表明したことである。これで、少なくとも民進党の右翼(プラス政治意志のない者たち)とリベラルの分離は否応なく起きるということだろう。
 リベラルと呼ばれる人たちがリベラル新党を結成することは将来的にありうるだろうが、総選挙前に結成というのは時間的に無理かもしれない。無所属で選挙に臨む事になるだろうが、これまで築いてきた立憲野党と市民団体の共闘組織に支援されれば、総選挙は十分に闘えるのではないかと思う。
 仙台に住む私は、先の参議院選挙と仙台市長選挙では立憲野党と市民組織の共闘が成立して闘われた、いわば〈成功した〉選挙を見てきた。どちらも候補者は民進党員だったので、民進党員であるがゆえの原発政策への曖昧な態度にもかかわらず「よりましな選択」として投票してきた。その候補者たちが、民進党から訣別してきた「無所属」なら、「よりましな選択」から「かなりましな選択」になることは間違いない。
 しかし、今度の総選挙における宮城選挙区の民進党候補者の全員が希望の党に公認申請をするというニュースが流れてきた。そうなれば、「よりましな選択」も潰えさることになる。どうやら、今度の総選挙は、リベラル票が共産党に流れて、共産党が票も当選者数も大きく伸ばすだろうという予測が真実味を帯びてきたようだ。







一番町(広瀬通り~青葉通り)。(2017/9/29 19:08~19:15)


 ごたごたする政治状況とはまったく関係がないとは言い切れないけれども、数日前から岡林信康の歌を聴きなおしている。何年か前、日比谷野音で開かれたライブの録画を見たとき、「君に捧げるLOVE SONG」という歌を初めて聞いて、ずっと気になっていたのである。
 岡林信康の歌は、学生時代の政治集会で聴いた「友よ」や「私たちの望むものは」で始まり、ラジオから流れる「今日を越えて」、「山谷ブルース」、「流れ者」を聞いた頃にレコードも買い、そこで「チューリップのアップリケ」の世界を知るという流れで経験した。そして、そこで岡林信康の世界は終わり、ラブソングは岡林信康的カテゴリーにも、その時代の私的カテゴリーにも入っていなかったのである。

​​
悲しみにうなだれる 君を前にして
そうさ何も出来ないで いるのがとても辛い
せめて君の為に 歌を書きたいけど
もどかしい想いは うまく歌にならない
今書きとめたい歌 君に捧げるLOVE SONG
          岡林信康「君に捧げるLOVE SONG」​​


 優しくて、心に沁みるいい歌である。ラブソングだから恋人へ捧げる歌のことに違いないのだが、岡林信康は病気と闘い亡くなった友人に向けてこの曲を作ったという文章も目にした。たとえば、​サルヴァトーレ・クァジーモドの詩​における「あなた」は恋人、そして神という二重性を帯びているという。岡林信康のこの歌も、死にゆく友人と恋人の存在を重ねあわせて歌われたに違いない。
 私は、ずっと若いころ、たくさんの詩を書いた。意識してラブソングを書いた記憶はないが、一編くらいのラブソングはあってもよかったと今になって思うのである。そうであれば、一生に一度はラブソングのあった人生と言えるではないか。
 私の詩業は、詩集を出版してくれるはずの出版社が潰れ、政治の季節が激しくなったころに、おのれの才能に見切りをつけた私自身によってすっぱりと閉じられた。それは、ラブソングを書くチャンスもまた自ら放棄したということだった。22歳のときだ。それで終わり……。いや、自分の昔の詩についてはうまく語れない、というかあまり語りたくない。そうなるには、もう少し時間が必要だ(生きている間には間に合わないかもしれないが……)。

 すこしばかり比喩的に記しておこう。極右政治家の下へ行こうとする政治家としての自死的行為に、いま書きかけのラブソングは破いて捨てる。そして、これから孤立を恐れず立ち上がるであろうリベラル政治家には、彼らに捧げるラブソングを準備しよう。そういうことである。







青葉通り。(2017/9/29 19:16~19:27)


 元鍛冶丁通りの角でデモに出合ったとき、一人は「間に合ったのですね」と話しかけてきた。東京出張の話は、先週のデモのブログの最後に書いていたのである。私のブログを最後まで読んでくれる奇特な人もいるのだ。
 デモが終わった時、一人は「知らん人が写真を撮っている。誰かと思いましたよ」と話しかけてきた。仕事帰りの私は濃紺のスーツ姿である。頭にはいつものキャップの代わりにハットが乗っている。まあ、デモ人の正しい服装とは言えない。もっとも、東京では「スーツ・デモ」だったか「背広デモ」だったかが組織されたりはしているのだが……。


 読書や絵画鑑賞のブログ
かわたれどきの頁繰り(小野寺秀也)

小野寺秀也のホームページ





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2017.10.01 20:48:21
コメント(10) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.