あの大地震と大津波、それに伴う原発事故がもたらした被害は、
まだまだ今後も続いていくだろう。
あれから一年ということで、テレビや新聞では「その時やその後」のことについて、
連日のように報道している。
遅々として進まぬ復興、その陰で絶望してゆく人たちや
仮設住宅で孤独になってゆくお年寄り達の姿には、本当に胸が痛む。
こんな事態になったのだから、もう「原発安全神話」は総崩れだし、
何とか「脱原発」を政府方針として野田総理に宣言してほしいと願っているのだが、
なぜかそうはいかない。
原発から離れた地域に住む私達にはピンとこないのだが、
原発おひざ元で甚大な被害を被っている町村の人たちすら、
「原発がなくなってしまったらどうしよう」という思いを持つ人がいるようだ。
今回のことでよくわかってきたことは、
「原発関係交付金や寄付金」によって、
地域丸ごとそのお金に依存し、
今後も依存し続けなければならない体質になってしまった自治体の現状。
「原子力ムラ」は、電力会社や関連の企業や研究者などだけではなく、
地域振興策として積極的に原発を受け入れてきた地域全体(ほとんど県単位)のことだったのだ。
そして、そんな巨大な原発依存の集団の支持に依存している日本の政治家達もだ。
私は今まで、本当に無知であったと思い知っている。
個人病理での「依存症」については多くの人たちが知っていると思うが、
集団単位での依存症もそのメカニズムは似たようなものなのかもしれない。
しかし、原発依存症の治療方法なんて、誰も研究していないだろう。
このところ、どうしても暗い気持ちになってしまうのは、
私が原発にあまり毒されずに依存も軽度だということなのだろう。
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