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カテゴリ:読書
重松清の「十字架」に続いて、同じブログテーマでもう一冊。
「愛着障害」~子ども時代をひきずる人々~/岡田尊司著/光文社新書 この本の紹介文は下記のとおりである。 従来、愛着の問題は、子どもの問題、それも特殊で悲惨な家庭環境で育った子どもの問題として扱われることが多かった。 しかし、近年は、一般の子どもにも当てはまるだけでなく、大人にも広くみられる問題だと考えられるようになっている。 しかも、今日、社会問題となっているさまざまな困難や障害に関わっていることが明らかとなってきたのである。 さらに昨今、「発達障害」ということが盛んに言われ、それが子どもだけでなく、大人にも少なくないことが知られるようになっているが、この発達の問題の背景には、実は、かなりの割合で愛着の問題が関係しているのである。 実際、愛着障害が、発達障害として診断されているケースも多い。 この本は、児童福祉関係の仕事をしている友人が貸してくれた本である。 この本は私にとって、様々な意味で「目から鱗が落ちた」ような気がした本だ。 私は以前から、昨今の「子どもの問題」は、その親世代の社会環境が大きな要因だと感じてきた。 そしてそれは、「親を教育する」だの「厳罰主義」だでのは、ピントはずれ対処のような気もしてきた。 そのことの一端が、この本で見えてきたようにも思うのだ。 しかし、問題はここからである。 そんな「心の傷」あるいは「重荷を背負う」人たちを、どのように支えたり応援したらよいのか。 これもまた、決して他人事ではない、自分や親、そして子供やその周囲の人たちとのかかわりの問題なのである。 そして重要なのは、そのような心の重荷を抱えやすい環境を、 戦後の日本は築いてきたという反省と自覚が一人一人に必要だろう。 昨日は「ヒロシマ」の日、9日は「ナガサキ」の日だ。 そのような十字架を背負ったにも関わらず、 「フクシマ」まで突っ走ってしまい、 その抱えきれない重荷を抱えながらも、さらに日本のみならず世界に拡散しようとする日本。 頼むから、十字架の重さを自覚してくれよと、 今の経済界や政治を担う人たちに懇願したい私である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年08月07日 09時33分35秒
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