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テーマ:つぶやき(11353)
カテゴリ:音楽
10年近く前からコンサートなどでつながりを持ったヴァイオリニスト伊藤光湖さんのご実家が、
6月30日未明に火災で全焼し、ご両親が亡くなられた。 第一発見者となった光湖さんは、ご本人の言葉によれば「なぜか生き残り」 重度の一酸化炭素中毒と重症の気道熱傷で集中治療室での辛い治療と、その後遺症に苦しみながらも、 ご両親の「お別れの会」の日を迎えた。 火災のことは新聞やテレビの報道で知り、その後の経過がとても気になりながら日が経ち、 一か月以上も経ってからご本人からのメールをいただいた。 私はさほど近しい関係でもないのであまり深いことを問い合わせることもせず、 ホームページで火災のことやご本人の体調のこと、その後の経過などを気にはしていた。 「全焼」ということで、彼女のヴァイオリンやご両親の写真などもほとんど焼失したようで、 ご両親亡き後の様々な手続等にも大変な思いをされているのではないかと案じていた。 合同メモリアルは、札幌パークホテルのチャペルで行われた。 別会場で受付を済ませ、チャペルに入ることのできる約80人が案内されたのだが、 とても大勢の参列客がいたので、多分会場に入ることができずに別会場でのモニターでの参列になっていたのだろう。 私は幸いに、少し早く会場に着いたことや諸々のタイミングで、 チャペルで光湖さんのご挨拶や演奏を直に聞くことができた。 お母さまは書道の先生としか知らなかったのだが、今回のお別れ会でご両親それぞれ 版画と書道では有名な人と初めて知った。 ご家族はクリスチャンで、そのホームページの情報とお別れの会での経歴紹介によれば、 お父様伊藤一雄さんは、教師を続けながら版画でも国内外で受賞され、海外の美術館にも数多くの作品が収蔵されているとのこと。 またお母さまの伊藤龍子さんも、お若いころから書道での展覧会で受賞を重ね、 現在では審査員としての活動もされていたようだし、亡くなるまで大麻高校で高校生への指導をされていた。 つまり、家族三人とも芸術家のご一家だったのだ。 きっと、ご自宅には数々の作品もあったのだろうと思うと、なんだか切なくなってしまう。 火災の原因は「マッサージチェアからの自然発火」だそうだ。 そんなことがあるのかと驚くと同時に、この世には本当に思いがけないことが起きることがあるのだと思う。 ご両親とご実家を失った光湖さんの心身の状態がとても心配だったのだが、 信仰を持っているということは、このような場合には大きな支えになるのだろう。 私は特定の宗教には所属していないので、信仰があるとはいえない人間だ。 だからきっと、このように理不尽と思えることが起きたら、 怒りと悲しみを乗り越えるには七転八倒するのかもしれない。 (いや、彼女だって当然七転八倒の心身の苦しみの日々だろうが) ご両親手を取り合って神のところに旅立ち、それを最愛の娘が素晴らしい演奏で葬送する。 なにかとても荘厳な気持ちになり、そのご冥福を心から祈った。 今までもご両親は一人娘の光湖さんを全力で愛し、励まし、支えてきたことだろうが、 これからは今まで以上にすぐそばで見守り支えてくださることだろう。 どんなに強い信仰や信念があっても、事実としてご両親のいない世界で生き続けることは、 やはり寂しく辛いこともあろう。 その経験が彼女の音楽の芸術性をさらに高めることを信じて、これからも応援したいと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年09月15日 08時52分02秒
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