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前回は、『Think Clearly』の読書メモでした。
せっかくなので、続編の読書メモも、続けます。 『Think Clearly』の続編は、コレです。 『Think Smart 間違った思い込みを避けて、賢く生き抜くための思考法』 (ロルフ・ドベリ/安原実津 訳、サンマーク出版、2020/1、税別1700円) このシリーズには様々な実験が紹介されています。 この本の中で、特に面白いと思ったのが、次の実験。 ============================= ・バウマイスターは学生たち全員に、提示された最初の文字につづけて、決められた時間内にひとつの言葉を完成させるよう求めた。 たとえば「パ・・・・・・」からは、「パニック」という言葉を思いつく学生もいれば、「パーティ」「パリ」といった言葉を思いつく学生もいた――そうして、彼らが無意識のうちに考えていることを突き止めたのだ。 (p100) ============================= これと似たような「書き出し指定1行作文」というのを、通級教室の課題としてよくやっています。 「学校」というような言葉だけ与えて、その続きを自由に連想して書かせる、というもの。 「自由連想法」や「文章完成法」という心理学の手法がもとになっています。 僕が自作したものは、こんなのです。 1文字だけ与える、というやり方も面白いな、と思いました。 今度やってみようかな。 ちなみに、この本の17章「反射的に思いついた答えは疑ったほうがいいわけ」を読んだ僕は、反射的どころかじっくり考えても不正解とされる答えしか思いつかなくて、落ち込みました。 「あなたは車を運転して時速100キロでAからBに向かい、 帰りは時速50キロでBからAまで戻ってきた。 あなたの平均速度は、時速何キロだろうか?」 (p107) という問題です。 僕の頭は、いつまでたっても「75キロ」のままでした。 どう考えても、「それ以外あり得ない!」と思ってしまいます。 みなさんは、どうですか? ============================= ・自問をすれば真実や的確な答えにたどり着くという考えは、「内観の錯覚」と呼ばれている。 (p116) ============================= 自分の考えがまるで当てにならないことが分かり、打ちのめされます・・・。 さて、この本の副題に含まれる「間違った思い込み」に関する数々の実例のうち、 「新薬の効果」に関する話は、特に興味深かったです。 ============================= ・「定期的な服用をしたグループ」には比較的状態のよい患者ばかりが残ることになり、結果として薬の効用は実際よりもずっと高く見えている (p140) ============================= こういうことは、非常によくあることだと思います。 特に、商品の宣伝に使われるデータには、意図的にしろ、意図的でないにしろ、真実のようでいて思い込みに過ぎないことが隠れていることがよくあります。 気をつけたいところです。 『Think Smart』の後には『Think right』が控えています。 こちらはまだ未読。 またまた打ちのめされそうな、予感・・・。 『Think right 誤った先入観を捨て、よりよい選択をするための思考法』 (ロルフ・ドベリ/中村智子 訳) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年07月14日 20時00分07秒
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