ホロビッツが愛用したピアノの音色に魅了された
7月14日日曜日。親友のHさんから突然コンサートのお誘いがあって、お江戸は浜離宮朝日ホールまで出かけて「タカヒロ・ホシノ ピアノリサイタル」を聴いてきた。このコンサートの特筆すべきは使用されるピアノが1912年に製造されたビンテージピアノであることだ。100歳を過ぎたピアノなのである。この日使われた1912年製のスタインウエイCD75はスタインウエイ本社コンサート&アーティスト部所属のホロビッツ専用楽器であらゆる様子を持ち合わせた類まれな名器であり、ホロビッツが最も愛したピアノとして有名である。二台ピアノの共演には1912年製CD368が登場した。半世紀以上に渡って音楽を聴き続けているがこんなピアノの音色を生で聴いたのは初めてである。当たり前ではあるがホロビッツのCDで聴くのと同じ音色が出ている。かくも繊細でニュアンスに富み、力強く豊かな響きがする演奏は演奏家の力量と表現力によるものと思っていたが実はそのピアノの力による所が大だったと感じた。 ビンテージピアノ スタインウエイCD75とCD368曲目はショパンとリスト、ラフマニノフだった。とにかくその音色に魅了された。言葉では表現できない音色で心の奥深くに染み入った。中でも最後にアンコールで演奏されたショパンの「ノクターン」遺作は音がシンプルな分、音色の美しさが際立った名演だった。 演奏会終了後、サイン会でもホシノさんと共演の東さん心満たされたコンサートだった。