テーマ:熱帯魚&水草の話(1149)
カテゴリ:熱帯魚
ドワーフグーラミーって言う魚いますよね。インドとかバングラディッシュ原産の熱帯魚なんですが、現在わが国に輸入されてくるのはほとんどすべてと言ってよいほど、東南アジアで養殖されたものです。人気魚だけあって、繁殖される数も膨大なのでしょう、色々なカラーバリエーションが作り出されています。原種は、メタリックブルーとオレンジの縞模様なのですが、このオレンジの部分を強調したのがサンセットグーラミー、逆にメタリックブルーの方に着目したのがネオンドワーフグーラミーです。そして、その究極とも言えるのが今日の写真でアップした、パウダーブルーグーラミーです(ちなみに、写真はメス)。
オスメスともに全身ベカベカに真っ青ですごくキレー、でもちょっと待った。他のドワーフグーラミーの改良品種のメスはみんな原種と同じ銀色で地味な魚なのに、何でパウダーブルーのメスだけがこんなに綺麗な訳?って怪しいと思ったアナタ!鋭い指摘です。 実は、この品種は人工的に色揚げされているのです。ステロイドの一種である男性ホルモン剤を使用して、ベカベカに仕上げているわけで、これはもう立派なドーピングですね。東南アジアのブリーダーたちは出荷直前になると、「魔法の粉」を水槽に一つまみ・・・。すると、数日もすれば見る見るうちに、「オスもメスも、アナタも私もパウダーブルー」ってな具合です。私は、ドワーフグーラミーのドーピング現場に出くわしたことはありませんが、香港のディスカスブリーダーが得意げに「魔法の粉」で、全身真っ青なディスカス作っているのを見せてもらったことがあります。まあ、カラーラージグラスとか、体内に蛍光塗料注射した改良品種までいるご時世ですから、「魔法の粉」によるドーピングなんてかわいいものかもしれません。実際綺麗だし・・・。 でも、やっぱりあるんです、薬害が。「魔法の粉」を使うと、魚の内臓ボロボロになるようで、せっかく大事に飼育していてもどんどんやせ細ってついには死亡するなんてことも多々あるようです。ですから、ディスカスの世界では、「魔法の粉」の使用は忌むべきこととされており、現在ではそのような色揚げ処理は行われていない、と信じたいものですな。パウダーブルーグーラミーの場合は、」かつてのベンジョンソンや室伏と戦ったハンマー投げの選手(スイマセン、名前覚えてません)のように失格~!となるのか、それとも整形美人のように「ふんっ、美しければそれでいいのよ!グタグタ言ってるアンタが負け犬なのよっ」って開き直っちゃうのかどちらでしょうか? ちなみに人間の女性の整形手術と同様で、後天的に獲得した美しさのため次世代に遺伝することはありません。あしかず・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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