テーマ:熱帯魚&水草の話(1122)
カテゴリ:熱帯魚
そんな七面倒くさい話は抜きにして、ミャンマーに生息するこの体長2cm足らずの魚は、体のブルーが本当に綺麗です。同種間では少々小競り合いをするものの、まずは温和な魚と言ってよいと思います。 以前は軍事政権下でほとんど鎖国状態だったミャンマーも少しずつその門戸を開放し始めたため、幻の魚だった、エリスロミクロンやレッドフィンレッドノーズなどミャンマー固有の美麗小型種が輸入されてくるようになったのはアクアリストとしては嬉しい限りです。ただ、そこで獲得した外貨を使って軍事政権が権力維持をしており、結果的にスーチー女史の軟禁につながっているかと思うと、少々複雑な気持ちになりますけど・・・ そう言った政治がらみの話はさておき、エリスロミクロンを上手く飼育するにはいくつかのポイントがあります。一つ目は水質について。大体においてラスボラやテトラの多くは弱酸性の軟水を好みますから、この魚も・・・と思っていると大間違い!(笑)。一般的にミャンマーの魚はどちらかと言えば中性から弱アルカリ性の水質を好みます。したがって、水換えをサボり気味の酸性に傾いた水質では、この魚を上手く飼育する事が出来ません。 第二に、餌について。この魚はあまり人工餌を好まないようです。特に、フレークフードなどは一度口に入れても吐き出してしまう事がほとんど。ここは、ブラインシュリンプを与えるか嗜好性の高い顆粒状の人工餌を用意してやりたいものです。また、肥満しやすい傾向にあるグローライトテトラや昨日のペルビカと正反対に、どちらかと言えば痩せやすい傾向にあります。ショップなどで見かける個体の多くの腹がへこんでいるのはその為です。対策としては、良質の餌を一日数回に分けて少量ずつ与えることでしょうか? 第三のポイントとしては、この魚は異常に臆病でちょっとでも異常を感じると水草の中に隠れてまったく出てこようとはしません。人の出入りが激しい場所などでは、怯えて餌を食べる事も出来ずそのまま餓死コース一直線と言う事もありえます(苦笑)。実は、今回この魚を撮影する際にも「この根性なし!」(笑)には泣かされました。水槽の前に立ってカメラを構えると、まったくと言ってよいほど姿を現してくれません。最後には、半ばぶちきれた私が水槽内にアピストのペアぶち込んでやりました。アピストのペアが、水草の陰に縄張りを持つようになると、必然的にエリスロミクロンはそこから追いだされると言う訳です(笑)。したがって、今回エリスロミクロンは決して気持ちよくモデルやってないと思います!(爆笑) そんな、飼育上の問題点の多いエリスロミクロンですが綺麗に発色したオスの個体を眺めているとそんな苦労なんてどこかに吹き飛んでしまいます。万人向けとは言いませんが、ちょっとマニアックな趣向の小型水槽造りたい人にはお奨めの美麗種です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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