テーマ:熱帯魚&水草の話(1118)
カテゴリ:熱帯魚
学名:Boraras urophthalmoides Kottelat,1991 体長:1cm 分布:タイ、カンボジア 飼育:★★(普通) 繁殖:★★★(少し難しい) さてボララスシリーズのトリを飾るのは、ボララス・ウロフタルモイデスです。この魚、ショップではウロフタルマとして販売されている事が多いのですが、これには深~い訳が(笑)。この魚自体は1954年にBrittan博士により新種として記載されています。その時の学名はラスボラ・ウロフタルマ(Rasbora urophthalma)でした。属名がラスボラからボララスに代わったのはまぁ、しょうがないとして何で種小名まで変わってしまったのでしょうか? 実はBrittan博士、何をとち狂ったのか新種記載する時の模式標本(新種を学会に記載する時には、必ずこれがその生物ですよ~と言う標本を用意します)に違う魚を入れちまったらしいのです(笑)。ありえないようなミスですが事実です。しかし、周りの人はみんなそんなこととは露知らず、今日紹介した魚は模式標本の個体とまったく同じ種類だと信じ込んできたわけです。 さて、ここで登場するのがコテラット博士と言う新進気鋭の魚類学者です。この方は、新種記載する事が人生のすべてと言う位に入れ込んで新種を捜しまくってます。見た目は、単に暑苦しいだけの肉の塊ですが(笑)、内面はかなり尖った方のようで古い論文のミスを探しては攻撃しまくるのが特技みたいなところがあります。その、コテラット博士が目をつけたのがこの魚というわけです。実際に我々がウロフタルマだと信じていた魚に関しては、未だ学名が付いていない(多くの研究者はウロフタルマって言う学名が付いていると思ってますから)ので、当然第一発見者のコテラット博士がめでたく1991年に新種として、ボララス・ウロフタルモイデスを世に発表したのでしたぁ~♪ ウロフタルモイデスは体側部にビックリマークがあると言う点では、すでに紹介したブリジッタエに良く似ています。しかし、上の画像をご覧いただくとお判りのようにブリジッタエと異なり体色が真っ赤に染まる事はないので間違える可能性は皆無と言ってよいでしょう。それなりに魅力のある魚なのですが、美麗魚ぞろいのボララスの中にあってはあまりにも地味なため、最近では人気が無いようです。飼育自体は容易で、水質も中性付近の水でまったく問題ありません。 この魚はタイ、カンボジア以外にもスマトラ島辺りからも棲息が報告されているようですが、これはおそらくはブリジッタエと混同しているのではないかと考えています。わが国に輸入されてくる個体のほぼ100%はタイ産で採集個体です。以前は、ウロフタルマの中にラスボラ・ソムフォングシィという珍種が混ざっていたので一部のマニアは熱心にそれを捜していたものですが、最近ではショップでソムフォングシィが混ざっているのを見かける事は皆無となりました。 ・・・ってことで、やっとボララス属終わりましたぁ~♪次はもう少し撮影の楽なサイズの魚にしようっと(笑)。それに、皆様からのリクエストだってお受けしちゃいますっ!何か紹介して欲しいグループがありましたら、どしどしご要望をお寄せください。と言っても、必ずそのリクエストをお受けする訳じゃありませんけどね(笑)。さかなおやじの好みにあわない魚だったりすると間違いなく無視されますのであらかじめ御了承ください。 本日も恒例のブログランキングに参加いたします。 合言葉はぁ~?熱帯魚のブログが犬猫のブログ蹴散らしたっていいじゃん お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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