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テーマ:危機管理意識(245)
カテゴリ:お仕事とその周り
mamatam社は町工場だと思ってたとコメントをいただきましたが、そういえば最近の日記では、仕事の内容に触れることが少なくなっていましたね。
東京の下町の製造業で零細な会社といえば、京葉工業地帯のど真ん中ですから、下請け?孫請け?孫孫請け?の金属加工の町工場が思い浮かびますよね。とはいえ、ウチも金属関係(鉄工所)ではないというだけで、町工場であることに変わりはありません。 町工場の中でも狭い部類に入る2箇所の小さな工場でささやかにサプリメントの製造をしています。 起業して今年18年目になりましたが、その間には何度か、大小さまざまの危機に見舞われたともありました。 リーマンショックとか、東日本大震災とか、コロナ禍のような誰もが影響を受けたものはもちろん漏れなくひどい目に遭いましたし、それ以外にも、コップの中の大嵐よろしく業界関係者しか知らない危機もありましたし、取り込み詐欺の被害者になりかけたことも、払い渋りで経営が危うくなりかけたこともありました。 そんな中でも、今回の紅麹騒動はちょっと特殊と感じます。 実際にはこの製品のために健康被害を受けた当事者と、被害には至らなくても摂取したことのある人達の問題で、その全責任はこの製品を製造販売した特定の企業が負うべきことなのに、国民のほとんどが我が事のように関心を寄せ、心を痛め、そのためにほんの少し関わりがあるどころか、近隣の業界に属しているというだけで実際には何の関わりもない企業までが影響を受けています。 そうなってしまった理由の一つは小林製薬の対応だったと思います。 もっと早く被害を公表して被害の拡大を防ぐ対策を取るべきだったと思うし、事態の解明と原因の究明に向けて、もっと早くに行政や研究機関などあらゆる方向に協力を求めるべきだったと思うのです。 問題が公表され、原料を分析した結果、製品の一部ロットに、有毒のプベルル酸を生成する青黴か発生したことが原因だったとわかりました。 そのロットにそのカビがなぜ発生したのかはまだ発表されていないみたいですが、原因がわかったことで、紅麹自体に問題があるわけではないということもわかり、他社の製造した紅麹はもちろん、小林製薬の紅麹でもロットの違うものは大丈夫ともいわれています。 それがもっと早くわかっていれば、多くの企業はとばっちりの被害を受けないで済んだのじゃないかと思うからです。 けれども、小林製薬の紅麹は自社で販売しているサプリメントに含まれているだけでなく、他社製品の原料としても使われています。他社製品というのは、サプリメントだけでなく、パン、味噌、酒、漬物等多種類にわたっていて、その製品名、製造会社名はすでに公表されているようです。 健康に害があるのなら回収は当然だし売上減も仕方ないですが、損害額もその責任もはっきりしているのですから賠償請求もできるのじゃないでしょうか。でも、紅麹のベの字にかすりもしてないのに、買い控えとか風評とかの「巻き込まれ」でがっくり注文が減った会社(mamatam社もです)とか、有害どころか有益な紅麹を作ったり販売したりしていたのにぱったり注文が止まってしまった会社などは、どこにもなんの苦情も持って行きようがなく、もちろん賠償請求だってする相手がなく、いわば泣き寝入りするしかありません。災難だったとぼやきながら、嵐が最小で収まり、最速で過ぎ去ってくれることを祈るしかないのです。 それってやはり小林製薬のしたことが原因だし、問題がわかった時の対応を間違えたことが原因なのです。 小林製薬って、もし自社の製品で健康被害が起きたらどうするかとか、そういうの決まってなかったのじゃないかなあって思うのです。だから一大事が起きてから右往左往して、こんなことになってしまったのかなあって。 初めの頃の記者会見など見ていても、一生懸命だし、真剣に謝ってるのだけど、心の中はどうしたらいいのかわからなくて、もう泣きそうって感じしませんでした? やはり、万が一のことって、手始めに考えてみるだけでもしてみた方がいいんだなと思います。 製造した製品に何かのトラブルがあった場合、どこにどんな影響が現れる可能性があるか、どんな事態だったらどこに連絡や届出をするべきか、一度考える機会を持つだけでも、実際に何か起きた時に違うのじゃないかなと思います。 社員7人の零細企業と大企業を同列にいうのはおかしいですが、こんな時代ですから、何が起きるかわからないし、その波紋がどこまでどう広がるかもわからないのですから、わたしたちも、小規模なりに危機管理マニュアルみたいなものを、まあ、そんなご大層なものでなくて良いので、作った方がいいなあって、そんな気持ちになりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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