警察庁によると、16日午前0時現在、東北など12都道県警が検視などで確認した死者数は3373人に上った。家族や知人から届け出のあった行方不明者は7558人で、死者と行方不明者は合わせて1万人を超えた。重軽傷者は16都道県で計1990人になっている。 死者のうち15日午前10時段階で1870人の検視が終了し、約1060人の身元が確認されたが、遺族に引き渡されたのは約420人にとどまっている。遺族も被災し、避難所生活を強いられていることなどから遺体の引き取りが困難になっている。
今回の被災による死者は1万人を超えるようです。まだ見つかっていない遺体もありますが、数百人単位で見つかっているようです。これらの遺体は病院で解っている病気で亡くなった訳ではなく、外因による死亡ですので、検案(検視)をして死因を調べないと遺族に引き渡すこともできません。死後変化も起こりますので、なるべく早く検案をしなければなりません。検案は医師であれば誰でも出来るのですが、一般の臨床医は普段検案をあまりしていません。東京都では監察医務院がすべての変死体を検案していますが、それ以外の道府県では主に警察医が一番たくさん検案をしています。地震とその後に起こった津波と火災で亡くなる原因は家屋の倒壊によって圧死、外傷性ショック死もあれば、溺水もあれば、焼死もあれば、凍死もあるでしょう。正しく死因を特定することは、今後起こるかも知れない震災の対策を考える上で重要な仕事です。
日本医師会から各都道府県医師会、そして市の医師会に検視業務に携わる医師の派遣要請が来ました。私も、蒲郡の警察医をしており、日本法医学会の死体検案認定医を持っていますので、応募をしました。木・金は外来がありますので、無理ですが、金曜日の午後から月曜日までは競艇も中止になりましたので行くことができます。