カテゴリ:アニメと漫画
手塚治虫の「グリンゴ」を読んだ。
(この記事はネタばれあり) 以下のページに詳しいが、この作品は手塚の遺作。 単行本も1巻しか出ていない。未完だ。 Tezuka Osamu @World -グリンゴ- 南米に派遣された商社マン日本(ひもと)が主人公。 若くして異例の出世をするものの、後ろ盾となった専務が女性スキャンダルで辞任。 日本は政情不安な国へ左遷されてしまう。 その国で活路を見つけるために日本は鉱物資源に目をつける。 半導体製造に必要な鉱物を独占して売ろうとする。 グリンゴはスペイン語で「よそもの」という意味。 まさに日本はよそ者となった。 会社から、そして日本という国からも。 手塚はこの作品で何が語りたかったのか? 私はどうしても山崎豊子の小説「沈まぬ太陽」を思い出す。 「グリンゴ」の主人公、日本は「沈まぬ太陽」の恩地みたいに労働組合での一件から海外へ飛ばされたわけではない。 最初は栄転だった。成功の可能性も大いにあった。 しかし国を出て海外で孤独な戦いを続ける姿はどこか恩地の姿に似ている。 今この世にいない人に向かって批判するのは好きではない。 しかし手塚はこうした「海外派遣された日本人の姿を描く」という分野においては苦手ではないのか? この作品を読みながら私はそう考えた。 第一に主人公が相撲好きの「モーレツ社員」ということだけでキャラクターが理解しにくい。 左遷先で一緒に仕事をする男も反体制の運動をして日本を出たという過去。 漫画としてキャラクターを型にはめたがる悪い例だ。 また、主人公が誘拐される場面など明らかに描き方が荒い。 この作品、どうなっていく予定だったのだろう。 日本は鉱物資源を独占できるのか? そして自分を冷遇した会社に反旗を翻すのか? 手塚が亡くなった今、それは誰も知らない。 ただ想像するだけだ。 関連記事 手塚治虫 『グリンゴ』 「沈まぬ太陽」の反響 関係は薄いが、ナチスの残党は今でも追われている。 ナチスによる戦争犯罪には時効がない。 時効 時効不適用条約抜粋 本を買うなら楽天で!その他アフィリエイト バナーをクリック!小学生行方不明事件に情報をお願いします。 拉致問題の解決を願うブルーリボン運動です。 その場合リンクは必要とはしません。 意見があればコメントかメッセージでどうぞ。ただし荒らしと挨拶できない人はお断りです。 今のところメッセージは全て読んでいます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006.06.14 18:52:46
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