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りゅうちゃんミストラル

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2010.06.11
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カテゴリ:アニメと漫画
手塚の解釈によるブッダは他と違う。
   
シャカ族の王子として生まれたシッダルタ。
その生涯は苦しみに満ちていた。

戦争、飢餓、自然災害、疫病、そして階級差別。
いろんなものが人を苦しめる。

聖職者であるバラモン。
武人のクシャトリア。
市民のバイシャ。
奴隷のスードラ。
それ以下のバリアも存在している。

人はなぜ生きるのか?
宗教家の多くは「すべての人に生きる意味がある」という。
本当にそうなのだろうか?

私はこう考えてしまう。

「意味があると考えることで宗教家が救われたいのでは?」

シッダルタが生まれる前、すでに物語は始まっていた。
タッタとチャプラが主な登場人物として登場する。
独自のキャラクターを登場させることで、ブッダの存在を立体的に表現する。
それが手塚の狙いなのだろう。

9巻、ブッダによる興味深いセリフがあった。

「この世に幸福な人間なぞありはしない!」

そう言い切られてしまうと希望が持てなくなる。

夢に出てきそうなのがウサギの話。
物語の最初と最終巻に出てくる。

旅の聖者をもてなそうとして動物たちは努力する。
熊は魚を獲り、鹿は木の実を差し出す。
しかしウサギは何も見つけることができない。
困ったウサギは聖者に火を起こすよう求める。
その火の中にウサギは飛び込む。
自分を差し出すという犠牲的な行為。
焼かれたウサギを持った聖者は、その身を差し出し涙する。
悟りというものは、そういった場面で見つかるものらしい。

この話、ネット上でも以下のページで読める。

『うさぎの物語』(火中に身を捧げたウサギの話)

「人の役に立つ」ということは、仏教だけでなく他の宗教でも見られる。
キリスト教世界観で書かれた三浦綾子の「塩狩峠」。
暴走する列車を止めようとして、鉄道員の主人公が線路に身を投げる。
この作品は実際になった話が元になっている。

どんな世界であったとしても。
ウサギや永野信夫(塩狩峠の主人公)のような人ばかりなら。
この世は決して不幸ではない。
幸福な人間も多く存在できるだろう。

ところが実世界は違う。
戦争はいつの世界も終わることなく起きる。
貧富の差は縮まらず、差別も相変わらすなくならない。

そればかりか宗教があるために起きる悲劇も多い。
例えばキリスト教会内で起きる性的虐待。
人々を救うものであるはずの宗教が、その逆のことをしている。

アイルランド、教会内での性的虐待

ローマ法王、聖職者の性的虐待で謝罪

「宗教対宗教」の争いも現代の大きな問題だ。
ブッシュ(息子)はキリスト教対イスラム教の対決を決定的にした。
愚かな大統領はアメリカ軍を「十字軍」と呼んだ。
まるで十字軍が正義の象徴であるかのように。
イスラム世界で十字軍が忌み嫌われているのを理解していないかのように。

今でも世界は滅亡の危機にある。
人口増による危機。
食料、水の不足による危機。
HIVなど、病気による脅威。
世界には多くの問題が存在している。
にもかかわらず、人間はさらに問題を増やしている。
世界を何回も破滅させることのできる核兵器でさえ、人類は放棄しない。

ブッダは確かに偉大だった。
紀元前に存在した人物の考えが、今でもまだ残っている。
それはとてつもないこと。
だが、「人を助けなさい」という教えは浸透しているとは思えない。
もしブッダの考えを多くの人が理解しているのなら。
献血が不足することなどありはしない。

何度でも同じことを書く。
人類は危機に瀕している。
しかし戦争はどこかで起きている。

人はバカなんだろうか?
世界が終わるまで、こうした愚行をやめないのか?

何度か手塚のブッダを読んで、そのことを考えたい。
この作品は一度読むだけではもったいない。

追記

ウサギのエピソードについて、もう一度考えてみた。
時に自分を犠牲にして人の役に立つこと。
それは理解できる。
だが、あの場面でウサギは死ぬ必要があったのだろうか?

熊は魚を差し出した。
鹿は木の実を持ってきた。
ウサギはいろいろ探してみたじゃないか。
努力したじゃないか?
大切なのは「やってみる」ということ。
決して結果責任じゃない。

ウサギは死ぬ必要なんてなかった。
魚と木の実があればそれでよかった。

必要なのは英雄?それとも死?
死ぬ必要のない場面で自殺すること。
それが勇気だと私は思えない。

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最終更新日  2010.06.13 12:14:34
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