穴埋め日記
大切な人が鬱で寂しがっているとき、
電話するくらいしかできない事がある。
話を聞いたり、慰めたり、元気づけたり、
30分とか1時間とか話してちょっと元気になったみたいだと
ほっとして電話を切れる。
一時的なことでも。
鬱で一番調子が悪いときより、ちょっと浮上してきたときの方が、
その人に対するつきあい方は難しいと思う。
鬱がちょっとよくなってきて、ちょっと元気があって、
でも心配事は、鬱で拡大解釈してしまうとき、
なんだか普段と変わらないようでも、
実はまだ、心がひょわひょわしているので、
心配事は山のようにあり、
行動力が伴わない。
だから誤解されやすいし、周りを振り回しやすい。
それで周りのひとが、その人に嫌気が差してしまうことがある。
私は、鬱が愚痴になって、どろどろしても、自分が距離を取れる事なら、結構幾らでも聞ける。
でも、それが、自分の生活や将来に関わることの、
今すぐにはどうしようもできないことになってくると、
こちらも答えようがなく、黙ってしまう。
あれはどうなっているの、これはどうするの、
○○しなきゃ、xxでしょう・・・
できないとか、分からないとか、そういう答えは、
「そんなこといったって、xxでしょう、困るわ」
という答えが返ってくるのは分かっているので、
余計に黙っていると電話口の向こう側も不安になるらしくて、
やっぱり出てくる言葉は同じ。
どんどん、どんどん、押しつぶされそうになって、
電話を終えた後、何もできなくなってしまう。
調子が悪いからだと分かっていても、
会話に距離をとることができなくて、
目下の優先事項ではないが故、
心配したところで精神衛生上よくないだけの事柄など、
自分が、気分が悪くならないように日頃距離をとっている事も
全部、ごちゃ混ぜになって、
なんのために電話したのだか、分からなくなってしまう。
そんな電話をしたのが、この日だった。
心配しているのに、電話してしまうとこちらの具合が悪くなるので電話できないとは、
悲しいんだけど(それに心配だし)、
一日落ち込んで何もしないでいる訳には、今は環境が許さないので、
それ以来、今日まで一週間、電話しなかった。
これをかいている10月25日、
あまり楽しい気分で電話できる気がしないのだが、
明日は誕生日なので、電話しなければ。
お誕生日カードを書けばよかったかなぁ。
でも、もう遅い。
こっちが構えていると、それが伝わったりするので、
向こう側も緊張してしまって、固くなってしまうのだが、
明日は気分が変わっているかもしれない。
前向きで電話しよう。