テーマ:いい言葉(574)
カテゴリ:時事日記
村上春樹は、私にとって特別な作家です。 「風の歌を聴け」、「1973年のピンボール」、「羊をめぐる冒険」の三部作に魅了された私は、春樹風文体の小説を書き、彼がかつてオーナーをしていたという千駄ヶ谷のカフェバーに通っていました。 「ノルウェイの森」から、人の悪意と弱さを描いた辛いストーリーがなぜあれほど人気を呼ぶのだろうと、一歩、距離を置いたのですが、それでもずっと気になっている作家です。 今や、世界的な作家となった春樹さんが、イスラエルの「エルサレム賞」という文学賞を受賞して、授賞式で行ったのが、人間と体制の関係を卵と壁に例えたスピーチ。「高くて、固い壁があり、それにぶつかって壊れる卵があるとしたら、私は常に卵側に立つ」という一節は、多くのメディアが取り上げたので、ご存知の方も人も多いでしょう。 スピーチの全文を読んでみると、春樹さんが、文学者としてどう世界に対峙していくかを真摯に考え抜いた末に出席を決断し、自分の作品を高く評価した主催者やスピーチを聞きに来た人々に配慮しつつ、自身の主張をどう伝えるかということに、真剣に向き合ったのだなと感じます。 村上春樹という作家が、同じ国の、同じ時代の人であることが、とても誇らしく思うと同時に、私自身、信念を持って、背筋を伸ばして生きていきたいなと思いました。 カメラ: Canon EOS Kiss Digital N レンズ:TAMRON SP AF 90mm F/2.8 MACRO 1:1 撮影モード: マニュアル シャッター速度:1/1250 絞り数値: 2.8 測光方式:評価測光 ISO感度:100 人気blogランキングに参加しています。よかったらクリックしてみてくださいませ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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自分の考えをぶれることなく主張し行動できる人物 少ないですね。政治家も党優先で理念無き人が多すぎます。まさに衆愚政治の様相です。
(2009.02.24 23:57:03)
素晴らしいスピーチでしたね。
組織はあるんじゃなくて、私たちが作っているんです。 意識して、あるいは無意識に。研究して、あるいは無知のために。情報有り難うございました。 (2009.02.25 00:32:15)
僕は逆に「風の歌を聴け」、「1973年のピンボール」、「羊をめぐる冒険」の3部作に違和感を感じ、むしろ「ノルウェーの森」をはさんで、現実社会とより交わりを深めていった90年代以降の小説・ルポに魅かれます。今回のイスラエルでのスピーチはよかったですね。また、彼はランナーでもあるのです。「走ることについて僕の語ること」、一読をお勧めします。(まだ、読んでいらっしゃらなければ)。
(2009.02.25 20:49:53)
村上春樹さんの本を未だ読んだことのない私ですが、とても気になってきました。^^
まず手始めはどの作品がお勧めですか? そして、このchloeさんの日記に、春樹さん以上にchloeさんの思慮深さが感じられ、今まで以上にchloeさんに感動しています。^^ これからも、色んなことを教えてくださいね。 (2009.02.26 08:27:15)
蝶 明さん
>自分の考えをぶれることなく主張し行動できる人物 少ないですね。政治家も党優先で理念無き人が多すぎます。まさに衆愚政治の様相です。 ----- 今の政治を見ていると、本気で国をよくしていこうという意欲を感じる政治家があまりに少ないですね。党利党略に走ってしまうのは、直接、国のリーダーを選べないことも影響しているのかなと思います。 (2009.02.26 22:39:13)
カズ姫1さん
>素晴らしいスピーチでしたね。 >組織はあるんじゃなくて、私たちが作っているんです。 >意識して、あるいは無意識に。研究して、あるいは無知のために。情報有り難うございました。 ----- 確かにそうですね。システムも人が作っているものです。卵達の革命、どうやって変えていけるのかは、まだ見えてこないけれど、自分自身が意識的に生きることから始めたいと思います。 (2009.02.26 22:40:42)
nisngsanさん
>僕は逆に「風の歌を聴け」、「1973年のピンボール」、「羊をめぐる冒険」の3部作に違和感を感じ、むしろ「ノルウェーの森」をはさんで、現実社会とより交わりを深めていった90年代以降の小説・ルポに魅かれます。今回のイスラエルでのスピーチはよかったですね。また、彼はランナーでもあるのです。「走ることについて僕の語ること」、一読をお勧めします。(まだ、読んでいらっしゃらなければ)。 ----- 確かに、春樹さんはモラトリアムから踏み出して、世界と関わる作家へとなっていったのですよね。私自身、この歳になっても惑っているので、初期の作品に惹かれるのですが、確かに、今の春樹さんの作品があるからこそ、このスピーチに繋がったのだと思います。 「走ることについて僕の語ること」は未読です。今度、読んでみますね。 (2009.02.26 22:43:57)
picchukoさん
>村上春樹さんの本を未だ読んだことのない私ですが、とても気になってきました。^^ >まず手始めはどの作品がお勧めですか? >そして、このchloeさんの日記に、春樹さん以上にchloeさんの思慮深さが感じられ、今まで以上にchloeさんに感動しています。^^ >これからも、色んなことを教えてくださいね。 ----- そうですねー。私だったらやっぱり「風の歌を聴け」がいいかなーと思います。nisngsanさんだと、最近の作品を勧めてくださるのだと思いますが(^^)。 ある小説が読み手の心にどう響くかは、読み手の状況にも大きく影響されると思います。自分について考えたり、世の中とのかかわり方について惑っているのなら、初期の三部作に親近感を覚えると思います。 (2009.02.26 22:47:33) |
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