長らくだらだらと続けてきたバガンへの旅行記も、とりあえずこれで終わりたいと思います。
バガンから南東約50Kmのポッパ山は、車で片道約1時間30分くらいの道のりです。
ポッパ山は25万年前に活動を停止した標高1518mの死火山。ミャンマー人のお目当てはそのかたわらにそびえる岩山、標高737mのタウン・カラッ(Taung Kalat)です。写真で見えるようにこの異様な外見の岩山と、おとぎの国とも見える山頂のパゴダが、ミャンマーの人々の信仰を集めています。
ミャンマーでは広く仏教が信仰されていますが、同時に多くの人々がミャンマー土着の「ナッ信仰」も合せて持っています。「ナッ信仰」とは精霊信仰と訳されることが多いですが、木や火やそして家に神を見出し、また伝説上や歴史上の人物を「ナッ」として祭るということです。一般的には、37の代表的な「ナッ」が存在するといわれますが、生活を取り巻くものに神を見出したりと、日本の「八百万(やおよろず)の神」に似ているのかもしれません。ヤンゴン近郊には「車のナッ」を祭っている場所があり、人々が車のお清めに行くそうです。
古くは11-13世紀に栄えたバガン王朝のころから、土着のナッ信仰の聖地として、あがめられてきたタウン・カラッ(Taung Kalat)は、多くの善男善女でにぎわっています。頂上に上るには、ふもとの門前町から急な階段をえっちらおっちら上ります。20-30分くらいでしょうか。頂上は結構風がきついです。山には日本のお猿さんによく似たサルがたくさんいました。標高が高くなって涼しくなったので、お猿さんにはすごしやすいところなのでしょうか。奈良公園の「鹿せんべい」のようにサルのえさとして、ピーナツを売っていました。
タウン・カラッ(Taung Kalat)山頂のパゴダはいずれも1950年代になって、はじめて建設が始まったということです。