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2013.09.06
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 最近、何だか人間関係に疲れてしまったとか、毎日が単調でつまらないとか、仕事(学校)に行く気力がないとか思ってしまったりしていませんか?


 今回は、そんなあなたの心をドキドキさせ、うお~明日からもう一度頑張ってみるよ!と思いたくなってくるイラン映画『運動靴と赤い金魚』(原題:بچه‌های آسمان‎、でも発音わかりません)をご紹介します。

補足:
 Maryam F D さんより、ペルシア語タイトルの解説を賜りました。
 まことにありがとうございます。

(以下、原文ママ)

「この映画のタイトルはバチェハ(子供たち) イェ (の)アセマーン(空) という意味ですが、ペルシャ語は修飾語の位置が日本語と異なるため、空の子供たち という意味になります。」



わかりやすいあらすじ


 貧乏な家庭に生まれ育った兄と妹。
 兄は妹の靴を修理してもらった帰り、ちょっと目を離した隙に、たった一足しかない妹の靴を失くしてしまう。

 半ベソをかきながら謝る兄だが、このままでは学校に行けなくなるので困り果てる妹。

「お兄ちゃんの靴を私にも貸して。」

 靴を失くした手前、妹の要求を呑まなくてはならなくなった兄。
 これから二人はどうやって一足の靴を二人で履くのか?



 ジャケット写真を眺めているだけで息苦しくなりそうですね。
 しかし、この息苦しさがまた何とも言えず良いのです。
 (当方に窒息プレイ系の趣味はございません。)


みどころ



1. 可愛いらしくて、美しい兄妹愛

 中東圏の子供達は目鼻立ちがはっきりしているとよく言われますが、こちらの兄妹は本当に可愛らしいです。
 特に妹ザーラ役を演じたバハレ・セッデキの可愛らしさが群を抜いてますので、恐らくスクリーンに彼女が出てくるたびに癒しをもらった人が続出したことでしょう。

 この兄妹のつぶらな瞳に涙が溜まるたびに、ついついウルっとさせられてしまう迫真の演技力です。


2. とにかく走る

 約束を決めて一足の靴を二人で履くことにした二人ですが、約束を守るために二人とも走って、走って走りまくります。

 88分という長さの映画のうち、恐らく30分はこの二人の走る姿で構成されているといっても過言ではありません。
 しかし、またかよ、という気にはならず、むしろ転ぶなよとか、約束に間に合って欲しいとかいった、見守りたい気持ちになってくるので不思議です。

 妹を喜ばせたい一心で全力疾走する兄の姿を見ていると、応援しながらじわーっと涙がこみ上げてくること請け合いですので、最近心が荒んできたような気がする方には特ににおすすめしたいシーンです。


3. イランの小学校

 イランの小学校は、男子校、女子校と校舎が分かれている場合は授業は午前中、校舎を男女で使う場合は、午前中が女子の部、午後が男子の部というようにきっちりと時間分けがされていますね。

 この兄妹が通う小学校は、後者のタイプだったので、一つの靴をシェアするのが可能となったわけです。 


4. 歴然とした貧富の差

 父に連れられてテヘラン高級住宅街にやってきたのは良いものの、都会の豪奢な暮らしぶりに圧倒される兄。

 仕切りのない部屋で、一家五人が肩を寄せ合って倹しく暮らしている家庭がある一方で、高級住宅街に豪邸を構え、悠々自適に暮らしている家庭があるわけですが、日本で言う格差とは比べ物にならないほどの格差が進んだ社会であることが、映像だけで十分すぎるほど説明されています。


5. 新しい世代(社会)の夜明け

 無学の両親のもとに生まれた兄妹は、二人とも勉強熱心で成績も優秀。
 兄にいたっては、成績はトップクラスでスポーツ万能と来ていますから、クラスメイトからも一目置かれる存在です。

 モスク(礼拝所)のお茶に入れるための砂糖を砕く内職をしたり、他人の庭の手入れを細々と続けたりすることで精一杯の父親が毎日目にできる世界とはまた別の世界が、この兄妹の眼前に広がり始めているのを垣間見ることができます。


どうでもいいトリビア



1. 低所得層と富裕層に見る、ちょっとした信心度合いの差

 女性のイスラム教徒(ムスリマ)は、外出時や家族以外の男性が同じ空間にいる場合は、男性を誘惑しないように協力するという意味で、身体の線が出ないような衣服に身を包んで髪を覆う必要があるのですが、信心深くなればなるほどカバー度がアップするようですね。

 母親は髪を完全に覆ったヒジャブスタイル、妹は自宅ではスカーフ巻き、学校では白ヒジャブ、学校の女教師はアバヤスタイル(カバー度最強)ですので、興味のある方はチェックしてみてください。

 キャストや撮影スタッフに男性が含まれているため、本作品の貧乏一家は室内でも女性はムスリマとして正しい服装をしていますね(それ以前に、不特定多数の人に向けて上映される作品なので当然と言えば当然ですが)。

 ムスリマでも自宅では普通の格好をしている人が多いので、この辺は視聴者の誤解を招きそうな感じです。

 あとは、高級住宅街の男の子が真っ赤な短パン姿で登場するので、兄が一瞬ギョッとした表情を浮かべるのが印象的です。
 まあ小さな子供なので許容範囲だったのかもしれませんが、イランを含む中東圏では、男性でも短パン姿で外をフラつくのは NG なため、短パン姿の外国人観光客が入国時に足止めを食らったりするようです。


2. 金魚

 イラン人にとって金魚は新年(3月20日)のお祝いに欠かせないアイテムなので、新年が近づくと金魚を求める家庭が多いですね。

 映画を観ていると、貧乏一家が住んでいる一帯の中庭に、洗い物をするための水道と小さな池が配置されているのですが、序盤~中盤では水だけが張られていた池にも、終盤にはたくさんの金魚が放されていますので、新年が来たのかな、と思う人もいることでしょう。

 しかし、洗ってない足を金魚の池に突っ込むのは衛生上どうなのか、と個人的に気になった部分でもあります。

おまけ

 イラン在住の Maryam F D さんから、イランの新年の様子を紹介したページを提供していただきました。
 写真盛りだくさんで、丁寧な解説付きですので、ご覧になってみてください。
 お供え物の中に、金魚が含まれているのを確認できますね。

 1381年お正月
 明日の夜発ちます

 Maryam F D さんには、この場をお借りしてお礼申し上げます。

 Maryam F D さんのブログはこちら:
 Maryam's HP 日記

 



 実は、イラン映画はこの映画だけをもう 20回くらい観ているのですが、最近はばなびーさんのブログの方でもイランをテーマにした映画『チキンとプラム あるバイオリン弾き、最後の夢』を紹介されてましたし、個人的には『ペルシャ猫を誰も知らない』もかなり気になっていますので、また機会を見てイラン映画の紹介をするかもしれません。

 話ついでになりますが、ばなびーさんの『チキンとプラム あるバイオリン弾き、最後の夢』と『ペルシャ猫を誰も知らない』の映画レビューはこちらをご覧になってみてください。




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最終更新日  2019.02.14 11:50:26


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