Rage Before Beauty
80年のアルバムの次が(公式には)99年。いや、勿論扱いは再結成。でもプリティーズの再結成は3回目なんだよね。71年の次が72年、76年の次が80年で、その次が99年。次回作がデルのが07年だけど、この間解散はしていない。最初の2回の解散よりブランク長いのに。 まあ、それはいいや。再結成とは言っても、このアルバム用の新曲は3曲だけだそうだ。つまりそれ以外の曲は結構「解散中」の曲だったりもするわけだな。古いのは81年で、Goodbye, GoodbyeとGoin' DownhillがCross Talkの時期、つまりピーター・トルスン在籍中「最強」時代の録音だ。まあ、そんな最強な曲じゃないんだけど(笑)。前者は同時期のShe Don'tにちょっと似てるし、後者はあまりにも80年代な音だし・・・。いや、曲は好きなんだけどね。 最強なのは新曲だ。特に好きなのはVivian Prince。勿論初代ドラマーのことを歌った曲で、ビートは名前の元になったボ・ディドリー調。ルーツ回帰!って感じの要素ながら全然60年代の要素じゃないところで出来てるってのが。スキッパーがヴィヴやトゥインクにも負けないドラミングしてるのが最高だね。 新曲の多くには新メンバーのフランク・ホランド(G)が作曲に関わっている。この人、元イングランドなんだそうで・・・新人にしちゃあ若くないな、と思ってたら。そのホランドとメイ、マネージャー(ホモっぽい)のマーク・セント・ジョン(亡くなった元キッスのメンバーとは無関係)の共作がEverlasting Love(ラヴ・アフェアーの曲とは無関係)。やたらにPaint It, Blackに似てるんだけど、このアルバム、Play with Fireやってたりとかして、すっかり「ストーンズ・コンプレックス」は払拭したと見える(ってーか開き直ったか)。God Give Me Sterngthもちょっとキースの歌うバラードっぽいところあるでしょ。メイの方が遥かに上手いけど。 音は結構ガレージ時代に戻ってる感じも強くて、特にオープニングのPassion of Love(しかし相変わらずタイトルのセンスはアレだな)や前述Everlasting Loveの荒っぽさは絶品。Passion of Loveは大好きだなぁ。プリティーズの1曲目は(I'm Callingも含めて)外れないからね。 かと思うと70年代HR期っぽいバラードのLove Keeps Hanging Onがあったりもする。ちなみにこの曲のギターソロはデイヴ・ギルモア、って書かなくってもギルモアにしか聴こえないギターを弾いている。でもポーヴィのオルガンも最高なんだぜ。 カヴァーが3曲入ってるのも60年代(ってーか2nd)以来だけど、これは色々録りためた中に結果としてカヴァーが含まれた、ってコトだろうね。前述のPlay with Fireはストーンズのよりアーシーになってて好き。Eve of Destruction(89年のシングル)と、Mony Mony(ロニー・スペクター参加)はプリティーズにはぴったりのR&Rだけど逆にあんまり面白くないかな。そこはもう通過したところだろ?荒さも足りないし。 アコースティックな曲が目立つのは特徴の一つで、この要素は次作(っても8年後・・・)にも受け継がれて行くんだけど、今作ではVivian Prince, Not Givin' In, Pure Cold Stone, Blue Turns To red, Fly Awayあたりがそういう要素が強い曲になっている。Pure Cold Stoneのクールさは大好きだな。俺はこの手の音づくりには弱いんだよねぇ。 ジャケの話・・・は今回はいいや(笑)。