Cross Road Blues
高校生の頃リアル・フォーク・ブルーズって言う有名なアナログ盤を聴いた。ストーンズやZepのルーツとして、あのファンキーで格好良いStop Breakin' DownやCrossroad、Love in VainやTravelling Riverside Bluesなどなど、馴染んだ名曲のオリジナル、さぞかし格好良いだろうと思いレコードを買った。聞こえてきたのはギター一本をバックに不可解なリズムで歌うロックとはほど遠いサウンドと声。かと言ってジャズでもない。なんだコレは。コレがブルーズだ。数ヶ月前に聴いたマディ・ウォーターズやハウリン・ウルフはそれほど違和感はなかった。でも、コレは。 色々あって高校時代の仲間に再会した。不思議な気持ちだった。何一つ現実じゃない気分だった。俺は40歳になった。節目?きりがいい数字なだけだ。でも何か違うこの数ヶ月。原点?何を求めているのかな? 高校時代の仲間達は今でもいい仲間だったと思える。付き合いが続いている奴も多い。そんなコトを思い出す切っ掛けが今年になってから多かった。友人の思いつきで正月に懐かしい仲間が集まった。それから今度は今の親しい仲間と昔の写真を持ち寄ってお互いの過去を見せ合った。何かが交わったのかな?過去と現在?今の仲間も高校時代と同じような気分で雑に付き合えるいい仲間達でそういう「出会い」ってのもまた、コレも節目の一つなのかな? 俺の問題じゃない。俺には変化はない。でも何かが違うのかな? 最初にComplete Recordingsが出たときも、その後リマスターしたときも買わなかったのだけど、今年曲順変更と再リマスターされて蘇った新盤を突然買う気になったのは何故だろう?ブルーズなんかそうそう一生懸命聴いてなかった。ブルーズロックの方がよかった。心境がどう変化したのかな。その後もカヴァーで聴き続けたSweet Home ChicagoやCome on In My Kitchen, Little Queen of Spades, Walkin' Blues・・・もうブルーズを知っている俺は「なんだコレは」とは思わない。いや、なんだコレは、と思っているのかな。なんだこの端正な声とヴォーカルは。なんだこのいい曲は。 実際には何も起こっていないんだよ。俺はいつも通り音楽を聴いてるだけだし、多分明日はテクノとか平気で聴いているんだ。たまたまある種の十字路と重なっているように見えるだけなんだよ。