Rapper's Delight
ヒップホップも悪くないが、なんとなく「ハウスとアシッドジャズを聴いてる方がもっと楽しい」という結論が見えそうな気がして。結論を急ぐのは早い。もう少し聴いてみたいと思う。 今のところ何が良くないって、聴いていて凄く疲れるのね。良い部分は見つかってくるし、好き嫌いも解ってくるんだけど。苦手だからかな、と思ってたんだけど、どうも少し違うっぽい。 結局、脳で考えて聴いてるんだよ、俺は。まだ全然感じてない。ヒップホップをどう楽しむか、何がいいのか、どこが嫌いか、ビートはどうなっているのか、コレはいったい何なのか。考えちゃってるんだ。だから疲れる。 好きな音楽は感じるだけだから疲れない。ヒップホップに疲れたからダブを延々聴いてたけど疲れない。ダブの何がいいのかもうとっくに知ってるし、しかもソレは知識じゃなく感覚として知ってるから考えない。浴びるだけだ。気持ちよい。 「文化系のための~」では「場」という楽しみ方、受け取り方の重要性が説かれているけど、俺はそんなものには全然興味が無くて、俺が興味があるのは音楽だけだから「浴びたい」と思っていてもヒップホップという音楽はまだどこかに引っかかっていて浴びるほど落ちてこない。必死で棒とかでガシガシ突かないと浴びられないから聴いてるうちに疲れてしまう。 この本も結局音楽の部分については序盤で語りきってしまって、後は俺の興味ない歴史とかリリックとか、その「場」とかって話になって挙げ句に「ロックより社会貢献してる」とかワケの解らん話まで書かれては徐々に退屈になっていってしまうわけだ。 実は終盤の「ヒップホップとロック」という段は期待して読んだのだけど、その融合とか、音楽的な比較とかにはならずに、結局「どう違うか」しか書かれなかったので失望した部分でもある。しかもなんとなく「ヒップホップの方が凄い」的な方に持って行きたい感じというか、同列で語れていないというか、平行線だと言うことを強調したそうというか、なんだかな~、って。 挙げ句に最後の段では三つの例えで語るのだけど、その内容が「ヒップホップは少年ジャンプである」「プロレスである」「お笑いである」って、そりゃあ俺とは相容れないわぁ~(笑)って感じで。 プロレスに関しては基本好きだし、むしろこの本の序盤で出てくるM君(ヒップホップ界の抗争だの、そういうコトばかり話して音楽に興味なさそうなヤツ)と同様な「ペーパーファン」だが、お笑い界とかジャンプ的世界とか、俺大嫌いなんだもんね。島田紳助とか(笑)そういう感じでしょ。 結論としては俺は「ヒップホップ的な世界は大嫌い」。でも、「ヒップホップという音楽」には好きなものもそれなりにある、っていうコトのようだ。昨日も書いたように今回の収穫は「何故嫌いか」「何がいいのか」が把握できた、というもの。酷評したようだが、読む価値がある本だ、と言うコトは強調したい。