Wonderful Tonight
エリック・クラプトンという人のライヴを見てきた。 ジョージやらセイバーズ・オブ・パラダイスやら聴いてから東京に向かい、まずは予定通り市ケ谷でスタジオ入り。なんか予約に手違いがあったらしいが、無事入れた。危うい。細かい言及はあえて避けるが、俺は思ったより役立たずではないらしい。 一休みしてから武道館へ。はじめての武道館で完全におのぼりさん状態の自分が悲しい。その悲しさを楽しんでたのだけど。フーの時と全然違って、グッズ売り場は凄く楽だったのでパンフを入手。ドミノズのTシャツは魅力だったけど、XLサイズがない為断念。 客席に着くと、かかっている音楽がなんかベタベタの「60~70年代ベスト!(1000円)」みたいな感じ。I Can See for Miles, Parachute Woman, Dear Mr. Fantasy, Black Magic Woman, Burning of the Midnight Lamp, Yer Blues, Oh Well, I Ain't Superstitious , Street Fighting Man等・・・こういう客入れBGMで知らない曲が一切かからないというのははじめてかも知れない。 予習した通りのTell The Truthでスタート。いや、コレが予想以上で。なんかね、俺が思ってたより遥かに熱いんですよ。あと2コーラス目を女性コーラスが歌うのかと思ってたらドイル・ブラムホールが歌ってたのが好感度高し。 Key to the Highwayはドミノズヴァージョンじゃなく、ずっとテンポが速かった。BBとやったのがこのアレンジなの?Hoochie Coochieはまあ、あんな感じ。でもコレも予想してたよりずっとハイテンションで、ロックしてた。エイブか? 次はSheriff。コレはウィリー・ウィークスが余計なコトを一切弾かないでグルーヴを出しまくってたのが格好良かった。実は主役。 さて、問題はここ。そう、この日はHere But I'm Goneだったのだ。カーティス・メイフィールドのカヴァー。いや、実はコレが凄く格好良くて、レコード化して欲しくてたまらんのだけど、しかしなぜ今日Pityをやらない。ジョージの誕生日だよ?おかしいんじゃないか、とも思ったが、ジョージの古くからの友人であるエリックは明日25日がジョージの誕生日だと思っている可能性もある。 そして来ました!Why Does Love Got to Be So Sad!今日の目玉です。俺はコレを聴きに来たの!しかしイントロの「Yeah Yeah Yeah~」を一緒に叫ぶ客は居らず。俺だけ!?すげー浮いたが後悔はしていない。とりあえず踊り倒した。いや、去年の映像とか、大阪の音源とか(なまゆさんありがとう)聴いて「端正になっちゃったなぁ」と思ったケド、生で見ると熱量が全然違う!なんかコレも予想以上に良かった。感激した。ってーか俺右の方にいた客、この曲で席を外してやがった。馬鹿じゃねえの。 その勢いでアコースティックセット。Driftin' Bluesで手拍子してる客、センスねえぞ。エリックが(戦前ブルーズマンのごとく)平気でリズムを外してくるとあっさりおいてきぼりを食らう。だっせえ。 Travelin' Aloneは知らない曲(未発表曲らしい)。変な曲。コレもレコード化して欲しいなぁ。That's Alrightも知らないブルーズで、アーサー・クルーダップ(またはエルヴィス)ではなかった。あと、コーラス隊がステージ上で椅子に座ってるんだけど、なんか「一番いい席の客」って感じで良かったなぁ。 Motherless Childは良かった。エイブの複雑なリズムが気持ちよい。しかしこの人は本当に嬉しそうにドラムを叩く。エリックは12弦アコースティックにカポつけてたけど、開放でかき鳴らしてたけどアレってオープンチューニング?12弦でオープンってするの(そりゃあ可能だろうけど)?面白いサウンドだった。Running on Faithはちょっとつまんなかったかな。悪くはないんだけどねえ。俺の好みじゃないだけかも。 再びエレクトリックに戻り、エイブが「あの」リズムをこれまた楽しげに叩き出す。Motherless Childrenだ。俺の斜め前くらいのおばさんがすげえ嬉しそうだったんだけど。いい曲だよね。俺も大好き。個人的ハイライトパート2だね。まあ、コレは完全にエイブが主役でしょう。 次はロバート・ジョンソンのQueen of Spades。コレが長尺になるという話は聞いてたんだけど、いやぁ、クリス・ステイントンが弾くこと!もう弾き倒す。弾き始めたら止まらない勢い。いや、俺この人はもっと「縁の下の力持ち」的キャラだと誤解してた。こんな前に出てくる人とは思わなかった。もうすげー弾く。他の曲でも弾く。凄かった。圧倒された。まあ、長さ的にはドイルも同じくらいで、肝心の(笑)エリック氏はワリとあっさりひと回しで終了。この構図は次のBefore You Accuse Meも同じ。勿論ステイントンがやりたい放題なのも同じ。 思わぬ収穫はWonderful Tonight。いや、実は俺、Before You Accuse meで本編終了って気分だったのよ。あとはヒット曲、予定調和セクション。しかも甘いバラードのこの曲、個人的にはそれほど好きではない。特に80年代のあの「のたーっ」としたヴァージョンの印象が強いから。 しかし、エイブがハイハットを細かく刻むリズムを叩き始めた瞬間「あれ?」と思った。そう、コレはオリジナルヴァージョンの、ジェイミー・オールデイカーのフレーズ。そしてそのテンポ。俺の印象にあったヴァージョンより若干早く、そして少し軽い。それで、エリックもワリとさらっと歌い、しかもクソ長いソロを弾かない!なんだ、いいじゃないか!コレなら俺も好きですよ。いやぁ、予想外だった。この曲で感動するとは思わなかった。やられた。 最後は(ちょっともっさりした)LaylaとCocainで、まああっさり目に終了。アンコールもあまり引っ張らないCrossroads(勿論ゆっくり目のヴァージョン)。アンコールにエリックがギター弾きながら出てきたのには笑ったけどねぇ。