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愈々庵気まぐれ日記

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2017.05.01
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親しい人が上京したので今話題の築地で食事することにした。
昼食にはまだ少し早かったので築地本願寺を参詣することにした。
実をいうと前を通ったり境内を横切らせてもらったりはしていたが
ちゃんとお参りしたことがなかった。
ここは京都西本願寺の別院で親鸞を開祖とする浄土真宗のお寺である。
浄土真宗はかって一向宗とも呼ばれており、また門徒宗と称する地域もあり、
実は私の実家の宗派もそれである。

築地本願寺の発祥は1617年浅草の地であるが明暦の大火(1657)で引っ越しを
余儀なくされ、その際幕府から与えたのは八丁堀の海上であった。
そこで佃島の門徒が中心になってそこを埋め立てて本願寺を再興した。
その時は今の場外市場のあたりに58もの末寺を持つ大寺院であったが
1923年の関東大震災で焼失した。
1934年伊藤忠太設計の古代インド様式で再建されている。
日本ではこのような様式での鉄筋寺社建築は当時例を見ないものであった。


本堂内の仏壇は他の宗派の祭壇に比べて総金張りのピカピカ仏壇が特徴的である。
一般に浄土真宗の門徒は信者の家庭の仏壇も派手であるが真言密教のように
日常の祀りごとにおいて形式ばらないのが特徴である。


浄土真宗であるから本尊仏は阿弥陀如来であるが脇には開祖親鸞聖人の御影軸が祀られている。


本堂の背面上を見るとそこには2基のパイプオルガンが見える、
3メートルから1センチと大小2千本のパイプからなるらしい。
ランチタイムコンサートや仏前結婚式で演奏されるとのこと、
実はこの日も我々が訪問する30分前に結婚式の予定が表示されていた。
オルガン奏者は2千本のパイプからいろいろな音色の風を堂内に送るのだと云う。
そういえば本願寺にはブディストホールと言う立派なホールがあり、
しばしばコンサートが開催されているようだ。
さらに記憶をだどれば、あの蜷川幸雄さんが本堂前の石段を使ってギリシャ悲劇を公演したり、
薪能の公演があることも思い出される。


堂内には名札を付けた門徒ボランティアの方がおり説明してくれる。
外国人観光客もひっきりなしにここを訪れており、英語でも対応しているみたいである。
「堂内にはいろんな動物の彫像があります」と言われて探してみるとたくさん発見することが出来た。
まず高い天井を支える多くの円柱の裾部分に方角を表す≪四神≫が見つかった。


東に睨みを利かせているのは≪青龍≫、ここでいう≪青≫はブルーではなく緑のこと。
昔の中国や日本では緑の山を「青山(せいざん)」などとと表現した。
あの永遠の唱歌「故郷」に「山は青き故郷、水は清き故郷」と歌っている。
さらに「青い山脈」と言う永遠の青春映画もある。
私が若いころは交通シグナルは「青になったら道路を渡る」と教えられていた。ところが
今と違ってシグナルは青ではなく緑だった。要するに≪青龍≫は緑色の竜で東方の守り。


南方を守るのは≪朱雀、読んで字のごとく赤い鳥。平城京や平安京の朱雀門は南向きの御所正門。


西方の守りは≪白虎≫、文字通りホワイトタイガーである。


最後に北の守り神は≪玄武≫で、玄は黒色のこと。亀と蛇が合体した獣で描かれる。
調べてみると玄人・素人の語もここに由来するらしい。
玄人・素人は黒人(くろひと)・白人(しろひと)から変化したものだそうだ。
黒人種の人が玄人で白人種の人が素人などと言う落語の落ちみたいなことも考えられる。
いずれにしても東西南北の方角に色があると言うのは実に興味深い話である。
南が赤色で北が黒色と言うのは何となく理解できるが、
東が青色(緑)で西が白色と言うのはどういう連想なのだろうか。

ボランティア案内人の言に触発され他の動物彫像を探してみると
誰もいない一・二階間の階段に大理石に彫られた多くの動物像を発見した。

孔雀







獅子



さらに外に出てみると参道の両脇に≪阿吽の狛狗≫が鎮座している。
しかしよく見ると狛狗ではなく≪有翼の獅子≫である。
≪吽形≫の像は正面から撮れたが≪阿形≫は工事中で横からしか撮れなかった。
そのため怪我の功名で翼が首から生えていることを発見したがこれでは飛べそうにもない。




≪有翼の獅子≫と言えばベネチアのサンマルコ寺院にある物が有名だが、
それには翼が背中から生えており、飛んでもおかしくない形をしている。

本願寺の動物彫像は本堂設計者の伊藤忠太が集めた世界の動物意匠を彫刻したものだそうだ。





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Last updated  2017.05.01 08:44:52
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