カテゴリ:雇用について
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深刻な人手不足の解決策は?企業が抱える問題の原因と実際の事例を解説 | 起業・創業・資金調達の創業手帳 (sogyotecho.jp) 企業の人手不足はどのような状況にあるか 大企業よりも中小企業に打撃 企業の人手不足は、大企業よりも少数で運営している中小企業に大きな打撃を与えます。 中小企業では、問題点のひとつとして求人に対する採用者数の少なさが挙げられます。 大企業と中小企業で求人に対する採用者数を見ると、大企業では増えているのに対し、中小企業では逆に減少しているという報告がありました。 この傾向から考えると、優秀な人材がこぞって大企業を選び、中小企業が打撃を受けているという図式ができあがります。 職種別の人手不足の状況 人手不足を職種別に見ると、比較的問題とされているのが以下のものです。 サービス業 建設業 福祉業 特に、サービス業と建設業では人手不足が深刻で、後述するそれぞれの理由により人材獲得、長期雇用が困難になっている現状があります。 正規雇用と非正規雇用で見る違い 正規雇用と非正規雇用で比較した場合、人手不足に悩まされているのは正規雇用では建設業、非正規雇用では飲食業において割合が高い傾向にあります。 いずれの業界もマンパワーを必要とするものであり、スタッフの頭数を増やすことが課題です。 しかし、建設業界では若い正規雇用者の獲得難、非正規雇用が多い飲食業では感染症拡大によるやむを得ない雇い止めなどが問題視されています。 代表的な人手不足業界における理由 人手不足は、会社規模だけではなく職種ごとにも事情が異なっています。以下では、特に人手不足が叫ばれる職種を見ていきましょう。 ・サービス業 ここでいうサービス業は、飲食業や宿泊業、旅行業などサービス全般を指します。 この業界では、慢性的な人手不足に悩まされているだけではなく、近年の感染症拡大により営業制限がかかりました。 その結果、時短営業や人数制限を余儀なくされ、従業員も減らさざるを得ないという事情があります。 ・建設業 建設業では、業務に対する体力的なマイナスの印象が拭えない傾向にあります。 いわゆる「3K」と呼ばれるもので、きつい・汚い・危険というイメージが人手不足につながり、新人の雇用が思うように進みません。 その結果、後継者の育成がうまくいかず、現場スタッフをはじめ管理者においても著しい不足傾向があります。 ・福祉業 介護などを含む福祉業では、体力的な厳しさに加え、精神的なダメージも少なくない職種として認識されています。 また、少子高齢化の影響を色濃く受けているのもこの業界で、介護などを受ける高齢者が増える一方、それを支える若い世代が減少していることも人手不足の理由のひとつです。 加えて、福祉業は業務の負担に対する給与の低さも問題視されており、人材離れが深刻です。 ・運送業 感染症の蔓延にともない、多くの人が外出の制限やテレワークにシフトする中で、ECサイトなどを利用してインターネットショッピングを利用するようになりました。 すると、配達に要する人材の需要はおのずと増え、人手不足につながりました。 また、自宅時間が増える前からECサイトの利用者数は増加傾向にあり、慢性的な人手不足に悩まされています。 ・医療業 感染症拡大により、検査や診察、治療、ワクチン接種などに膨大な人材が必要になりました。 スタッフへの急激な需要増加が起こった結果、医療崩壊が起きているだけでなく、感染リスクの高さも人材離れの理由として考えられます。 さらに、重症患者の入院による病床確保も難しい問題であり、それにともなうスタッフの供給が追い付いていない状態です。 感染症の影響により倒産する企業も 前述したとおり、職種によっては感染症拡大の影響を大きく受けているものも多くあります。そして、人手不足によって倒産を余儀なくされるケースも増えました。 あるデータでは、2019年の人手不足による倒産はおよそ420件近くであり、前年の2018年を上回っています。また、2020年では上半期だけで人手不足による倒産がおよそ200件あり、2019年の同時期から5%近く増加しています。 このデータから、感染症の影響で企業の環境が変わり、多大なダメージを受けた企業が多いことがわかります。 人手不足が起こる主な原因とは 人手不足の原因6つ 1.少子高齢化 2021年の内閣府のデータでは、国内の総人口における65歳以上の割合はおよそ30%と出ています。 一方、15歳未満では12%にとどまっており、少子高齢化が進んでいることが明白です。 つまり、就業できる若者の割合が減少し、退職した高齢者が増えていることから、慢性的な人手不足が発生しています。 ・若年層に広がる多様な働き方 近年、若年層では従来とは異なる多様な働き方が広まっています。 従来では、新卒で採用されてから定年退職まで同じ会社で働き続けることが一般的でしたが、近年はキャリアアップのための転職やフリーランスなど、様々な働き方が増えました。 少子高齢化のみならず、上記のような働き方の多様化により、企業では若年層の獲得が難しくなりました。 その結果、人手不足は働く環境の悪化にもつながり、さらに離職率も上がるという問題の深刻化を引き起こしています。 2.下降する労働力人口 15歳以上および完全失業者のように、労働を求めている人口を労働力人口としてその数を合計すると、年々減少傾向にあります。 これも少子高齢化に関連する話ですが、若年層の減少により、単純に労働力人口も下降しており、これが人手不足に拍車をかけています。 3.非正規雇用者の割合が増加 国内における雇用者数そのものは、悪い数値ではありません。しかし、なぜ人手不足が起きるのかというと、非正規雇用の割合が比較的多いためともいわれています。 厚生労働省の調査によると、2021年には非正規雇用の人数は減少傾向にありますが、雇用総数の中での非正規雇用の割合がおよそ5割です。そして問題となるのは、非正規雇用者にはコア業務を任せない企業が多いことです。 そのため、コア業務を行えない非正規雇用者が増えても、本来の人手不足の根本は解消できません。 4.有効求人倍率の上昇 有効求人倍率は、仕事を求める人ひとりに対して、求人件数がどれだけあるかの指数です。仕事を求める人と比較し、求人件数が多ければ有効求人倍率が高くなります。 2015年以降、完全失業率の下降に比べて有効求人倍率は上昇しており、求人件数は多いのに仕事を求めている人が少ないという図式ができています。 経済状況の上向きにより、企業の仕事量は増えましたが、それに適しただけの人手が足りないというのが現状です。 5.確保しづらい人材の質 人手不足により、企業は従業員に対して満足できる労働環境を提供できない事態が起きています。 例えば、給与などの待遇の悪化・雇用にかかる費用の出し渋り・不十分な人材育成が主な原因と考えられ、優秀な人材はその企業で働く魅力を見いだせません。 特に、人材育成の面に関しては、人材配置のミスマッチ・人材育成システム構築が不十分などの理由で、企業内で質の良い人材を育てられないことも問題です。 6.企業と求職者におけるニーズのずれ 職種によって、求人数と求職者の関係性に乖離(かいり)が見られることがあります。 例えば、事務職では求人数に対する求職者が多く、職に就きづらい図式ができているのに対し、サービス業では求人数に対して求職者が少ないため、人手不足に陥っている状況です。 企業が求める条件と求職者の求める条件が異なり、それぞれのニーズにずれが生じてしまいます。 人材不足によって企業が受けるダメージについて 事業規模の見直し 人手不足が起きると、おのずと生産性を維持できなかったり、事業規模に対応できるだけの人材数を確保できなかったりなどの現象が起きます。 また、優秀な人材育成もままならないことから、業務をこなすことが困難になり、事業規模を縮小せざるを得ない事態に陥ります。 経営者と従業員双方の不満の蓄積 人手不足により、経営者と従業員それぞれに異なる不満が発生する状況も考えられます。 経営者側は、優秀な人材の確保に頭を悩ませる一方、現場で働く従業員は人が足りないことで一人ひとりの負担が大きくなり、生産性やクオリティ、モチベーションの低下を引き起こしかねません。 双方に不満が生じた結果、経営自体に影響を与えるケースもあります。 人手不足の解決策とは 従業員に向けた施策 従業員への各種待遇の見直し 人材を確保するためには、従業員への待遇を厚くして求職者を増やし、離職率を減らすことが大切です。従業員が求める待遇改善には、以下の要素が考えられます。 給与・ボーナスなどの金額 福利厚生の充実 有給休暇の設定 家賃、資格取得などの金額補助 これらに加え、休職制度の充実や食事支援などのサポート、優秀な人材への報奨金制度などをプラスすると、さらに従業員のモチベーションがアップすると考えられます。 働きやすい職場環境の整備 働きやすさには、待遇のほかに職場環境の良さも含まれます。職場環境は、求職者には見えにくいものですが、実際に働く従業員には大きな課題です。 職場の人間関係や企業の持つ風潮だけでなく、無理な残業があるなど環境が悪いと、おのずと離職率も上がってしまいます。 近年の働き方の多様化を考慮し、テレワークの積極的な導入や人材育成・キャリアアップ制度など、企業の体制を整えれば、従業員の満足度も上がるでしょう。 人材育成システムの強化 上記で少し触れたように、人材育成システムの強化で、優秀な人材を育てて生産性を上げることも有効です。 特に、新しく入った従業員にはビジネスパーソンとしての基礎を教えた上で、業務へのスキルを向上させ、一人ひとりの生産性を上げます。 さらに、長く働く従業員の再教育制度により、仕事の質がさらに向上し、生産性や業務効率への好影響が期待できます。 多様な働き方の容認 従来は、副業を禁止する企業がほとんどでしたが、近年では副業が企業にもたらすメリットに目を付けて許可するところも増えています。 副業のメリットには、社外からの客観的な視点を持つことで社内の問題を洗い出せたり、副業で得たアイデアやスキルを社内に導入できたりするなどが考えられます。 働き方の多様化が広まってきた昨今、副業の許可により自社に新しい風を吹き込んでくれるかもしれません。 採用に関する施策 採用する人材の間口拡大 ・シニア層 終身雇用を導入している企業では、65歳を定年とするところが多くあります。 しかし、経験と知識の豊富なシニア層が職場から去ってしまうのは、もったいないことでもあります。 まだ働ける人材なら、定年退職をしても嘱託などの形態で再雇用すれば、自社が持っている問題について解決の道が見えてくることもあるでしょう。 ・女性 女性の社会進出が叫ばれて久しいものですが、ただ単に女性の雇用率を上げるだけではなく、女性の出世率の向上やキャリアアップ制度を充実させることも有効です。 特に、女性は出産・育児で労働の機会を失いがちですが、これらと仕事を両立させてキャリアアップできれば、女性が持つスキルや経験を十分に生かせます。 ・アウトソーシング 職種によっては、一定の時期に繁忙期を迎えて人手が足りなくなることもあります。繁忙期には、おのずと人手不足が生じ、手が回らなくなることも少なくありません。 一時的に人手を増やすために、アウトソーシングを利用して繁忙期のみに派遣や業務委託のような形で人材を確保するのもひとつの方法です。 ・障がい者 障がいを持つ人の中には、職種によっては業務をこなせる人も多くいます。また、専門分野やある特定の業務に長けている人も多くいます。 そこで、障がい者雇用を積極的に行い、求める人材を確保するのも良い方法です。 また、社会的にも障がい者雇用の動きは活発であり、障がいを持つ人の職を確保することで社会貢献にもつながります。 ・外国人 留学や出稼ぎなどで、日本に在留する外国人は年々増えつつあります。 就職を希望する外国人を雇用すれば、企業側はマンパワーの確保もでき、双方にメリットが生じるでしょう。 求める人材の明確化 求人にあたって、条件を出す際に経験や就業時間、体力仕事などの条件で年齢や性別を限定していることもあるかもしれません。 その壁を取り払うことで、人材確保のチャンスを広げられます。 経験が少なくても優秀な人材や、フルタイムでなくてもスキルが高い人材、力仕事の一部の機械化によるシニアや女性の採用など、条件を見直すことで求める人材を明確化できます。 ITを活用した業務へのシフト 人手を増やすのではなく、ITを利用して人手を削減することも有効です。IT技術によって効率化できる業務は、数多くあります。 従来は人手が必要だった作業をオートメーション化し、浮いた人手や時間をコア業務に充てれば、生産性も向上します。 また、この方法により人件費の削減にもつながり、浮いた費用を従業員の満足度を上げるための施策に回せば、離職率の低下にもつながるかもしれません。 ・IT導入例 IT技術の導入例には、以下のようなものがあります。 ・チャットツール チャットツールでは、社内での会議はもちろん、遠方にいる取引先とも打ち合わせが可能です。これにより、会議にかける時間や先方に出向く時間を短縮できます。 ・データをクラウドで管理 これまで、社内システムで管理していたデータをクラウドに保存し、従業員全員がクラウドにアクセスしてデータを参照・編集できるようにします。 ・電子契約書 契約を締結するのに、対面で契約書を交わすのではなく、オンライン上で契約書を取り交わせれば、契約に要する時間も短縮可能です。 業務プロセスの再構築 従来の業務プロセスの中で、販売・製造・生産・物流などのように、これまで無駄にかかっていた時間や方法を再構築するのもおすすめです。 見直してみると、効率化できる作業や省いても良い作業などが見えてくるかもしれません。 プロセスの再構築を行うことで、作業をよりコンパクトにできる可能性があります。 企業の経営における問題の洗い出し そもそも、人手不足に陥っている原因は何かを洗い出してみるのも良い方法です。 人手を確保せずとも、業務の細分化を避けて従業員が様々な業務に携われるようにしたり、部署自体を統合したりすれば、人材を効率的に動かせるでしょう。 人手不足の解決策を講じた実際の事例 こちらからは、実際に人手不足の解決策を講じて成功した例を紹介します。 ワークライフバランスを見直した ある会社では、女性のワークライフバランスを確保するために、育児休業や時短業務などを標準化しました。 この施策により注目を浴び、様々な働き方をしたい女性の人材を獲得しています。 職場環境を大幅に改善した 職場環境を改善することで、従業員の満足度を上げた会社もあります。 従業員の健康を守るために、運動や生活習慣の見直しを行うたびにポイントを付与し、そのポイントを任意の商品と交換できるようにしました。 フリーランスへの外部委託を取り入れた もともと正規雇用に絞っていた会社が、フリーランスなどの外部委託を積極的に取り入れました。 フリーランスでも、優秀な人材は多くそのスキルを自社に取込むことができます。正規雇用にこだわらず外部委託に頼ることで、人手不足を解消しています。 業務のマルチタスク化を実践した サービス業を営む会社では、それぞれの業務を完全分業していましたが、業務の垣根をなくして従業員それぞれがほかの仕事を請け負うことで、業務のマルチタスク化に成功しました。 ある部署の人材が空き時間に他部署の業務を行うことで、効率化を図れています。 副業の許可により本業への好影響を図った ある会社では、副業についての制限をなくし、副業をすすめる動きにシフトしました。 これにより、従業員が副業では事業を経営する立場となることから、意識改革が起こり本業の生産性アップや残業削減につながっています。 まとめ 企業の人手不足の解決策を見いだすには、企業それぞれが抱えている固定観念を覆すことが重要です。 従業員への施策や雇用の改善、業務の見直しなど、いくつかの側面から既存のシステムを変えることで、魅力ある企業になり人材はおのずと集まります。 まずは、企業の人手不足の原因が何であるかを突き止めた上で、自社に合った解決策を独自に見つけ出しましょう。 ----------------------私の意見------------------------ 失業率が3%以下で有効求人倍率1.2倍以上となったら完全に売り手市場となってしまう。この状態でも無職いわゆる働ない人というのは、自己責任でしかない。いわゆる働きたくないのだ。残念ながら一定数の人がいる。 私は外国人労働者と高齢者雇用でしのいでいくしかないと思う。少子化政策においても効果が出るのは20年以上かかるわけで、実際は社員教育をしたくても教える人材も不足しているということだ。OJTで一緒になって教えていくしかない。 良く最低時給が日本は低いというが、最低時給なら見向きもされないわけで、実態は採用時給が上昇していかないと人材確保ができず、採用時給を上げるということは、全体の賃金をアップさせないと、不満となり離職となってしまう。そうなると賃金は安くても、福利厚生や勤務体系を充実しなければいけなくなる。社宅や車の使用とかである。 75歳定年制と外国人労働者を確保し、自治体や政府が日本語学校を運営している法人に助成金を支給し外国人なら原則無料にして日本語教育をしていくべきと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.08.01 07:23:02
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