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カテゴリ:会社の税務・会計
今年になって、相続税の調査が2件ありました。
1件はわずかな申告漏れが指摘され、修正申告に応じ終了しました。 もう1件は現在進行中です。 相続税の調査というと、目玉は何といっても預貯金・保険等の金融資産の計上漏れです。 亡くなられた方(被相続人)の名義の資産は、まず当初の申告で漏れなく計上されていますので、狙いは家族名義のものです。 税務署の調査では、相続人名義(特に同居の家族)の預貯金は必ず銀行へ行って、過去の取引もすべて確認されます。 そして、被相続人の預貯金の出金状況と家族名義の預貯金の預け入れ状況を、それはそれは細かな明細にして見せてくれます。 「この被相続人名義の定期を解約してこの家族名義の定期を作ってますよね。」 というわけです。 このとき、どこまでを贈与でもらったものと主張し、どこから、家族の名義を借りた被相続人の財産と判断したらよいのか非常に困ります。 相続人に尋ねても、「これは贈与してもらった私の預金ですが、これは私が知らないところで父がつくったものです」なんて明快な答えは返ってきません。 また、贈与税の申告もしていないのですから、贈与の主張をどこまで調査官が聞き入れてくれるのかは調査官の判断にゆだねられています。(まず、贈与は認めたがらないですよね。) それでも、定期から定期への名義書き換えをされていると、足跡がわかりませんから、場合によっては銀行にお願いして過去の履歴データを出してもらったこともあります(銀行には非常に嫌がられます)。 そこまでしないと相続税の申告が正しく行えないという制度に疑問を感じてしまいます。 それから、多くの人が郵便貯金と簡易保険は申告しなくても大丈夫だと思っているところが問題です。 なぜ、皆さんがそういった意識をもっているのかというと、郵便局の人が大丈夫だと言ったから!なのです。 そう言ったのは一部の方なのでしょうが、そういった話はどんどん伝わってしまうものなのです。 国家公務員として、税金からお給料をもらっている人が脱税をそそのかすようなことを言ってしまうということが許せません!!!! なぜ、郵便局の人がそう言われたのか・・・ 推測すると、 1.郵便局のシステムは名寄せができない 2.国税庁と旧郵政省(現総務省)は省庁がちがうので、調査に入らない ということでしょうか。 [1.]については郵政公社の民営化が決まりましたから、何年か後には名寄せのできるシステムに変わるでしょう。 [2.]については数年前から調査に入るようになりましたからもはや聖域ではないです。 余談ですが、かつて、相続財産の中に犬の名義の郵便貯金があったことがありました。 一人1000万円までしか預けられない制度なのに犬の名前!? なんていい加減な、とあきれてしまいました。 橘 多佳子 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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