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カテゴリ:税理士の仕事
会社法になって、取締役を1名だけにすることもできるようになりましたね。
でもこの「1名だけ」がくせ者で、今回面倒くさいことになってしまいました。 ある取締役1名会社の社長が事故で意識不明になってしまいました。 こうなると会社を代表して契約等の行為を行う者が不在となってしまいますから、 急遽ピンチヒッターの取締役を選任しなければならなくなりました。 まあ同族会社ならその場で全員出席株主総会を開催して、 チャンチャンと決議してしまえば一件落着のところなのですが、 この意識不明の社長も株主なので当然社長が出席できるわけもなく、 全員出席株主総会の開催は法的には不可能ということに。 ではきちんと臨時株主総会を招集しようと思ったら、 株主総会の召集権者は取締役と定められていて、 今回唯一の取締役が意識不明で召集不能ということに。 ああ、せめてもう一人取締役がいれば、 社長に事故ある場合にはあらかじめ定められた順序に従って 他の取締役が召集権者になることができたのに。 仕方がなく弁護士さんに相談したところ、 1裁判所の許可を得て、株主による株主総会の招集手続きを行う(会社法297条4項)。 2裁判所に一時役員を選任してもらって、その一時役員が臨時株主総会の招集手続きを行う(会社法351条)。 の2つの方法があるということがわかりましたが、いずれも裁判所の関与が必要とのこと。 仕事柄税務署は敷居が高いと感じていませんが、 さすがに裁判所となると敷居が高く感じます。 弁護士さんからは 「意識不明かどうか法務局もわからないから、 普通に社長の辞任届と臨時株主総会議事録を作成して登記しちゃえば」 という実務的で甘い言葉のアドバイスをいただいたことから、 会社関係者も裁判所はちょっとという感じなので迷ってしまっています。 ただ日常コンプライアンスは大切だと指導している手前、 自らコンプライアンスに抵触するのは嫌だなあ・・・。 さあ、この結末やいかに? ・・・・・・来月に続きませんけど。 田中 大貴 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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