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2023/01/23/月曜日/大寒の氷雨
一日だけの公演が21日に国立小劇場で。 コロナパンデミックが無ければ、2年前開催の予定の演目 冬 ー 八戸のえんぶり 春 ー 甲府市の天津司舞てづしまい 夏 ー 沖縄エイサー 秋 ー 江戸の里神楽 ![]() えんぶり 暗い背景に降り頻る雪の情景 いかにも八戸在住の、先祖伝来の土起こし、苗植え、稲刈りの舞踊り、朴訥な口上。 壮年男性の力強さから少年少女の可愛らしい仕種を田の神、実りの神はさもさも寿いできたのだろう。 一連の動きは稲作の技術が列島に伝播するとき、文字も持たず言葉も通じない中、生み出されたコミュニケーションではなかったろうか。 その舞がそのまま年寄りから年少へとも伝承され、それは同時に土地神、祖霊への祈りでもあった。 田植えの身振りはお相撲のシコのようでもあり、相撲の由来との関連も考えさせられた。 八戸は海幸も豊かなお国柄、 愉快な恵比寿舞も 天津司舞 春霞、桜満開のもと 甲府盆地はかつて湖(ウミ)であったとの伝承 その湖上、神々集って舞い踊る 静かな厳かな舞とお狂い、の激しい舞 これを特大素朴な神蔵=人形の二体が180度の位置で 反時計周りに、船に見立てた幕上で追いかけ演じる。 元は12柱の神々が、二神は天に上りもう一神は古井戸に没した。残った九柱の神を神像に作り上げ小瀬村氏神である諏訪神社に祀った。 最後のお姫様と鬼の追いかけはややもすると ハラハラさせられる。 この傀儡を観じるに、これはもと諏訪湖からの伝来だったのではなかろうか。 国譲りで敗退した(相撲で負けた?)建御名方は諏訪湖の外に出ないことを条件として、生きながらえ、その他に留まった出雲系民族である。 敗者といえど、殆ど縄文の土地に大陸の進んだ文化をもたらした、その威光はいかばかり。当に諏訪大社祭神として厚く祀られた。 その一族か、その威厳を知る集団が新たな開拓地を求め、甲府盆地小瀬村に辿りついて、先祖の伝来を残したのかもしれない。 お姫さまと鬼が同一場面に登場するのは、女性の二つの面の表象、なんぞと詮索するのは小賢しいとしても、後の里神楽で見事にこの場面が現れるのだから、まあ心憎い。 エイサー・大獅子 抜けるように青い沖縄の空、海 かん高い指笛が天高く舞う鳥の呼ぶ声のように見るもの演じる者を目覚ます。 一目見るなり、沖縄発祥の空手の心が伝わる動きと太鼓 できたら唄も生で聴きたいところ 東京在住のエイサーグループとのこと、とても訓練されている、というかプロフェッショナル。 明るく、元気、あー沖縄行きたいなあ、と思わせる陽気さ、フレンドリーさは日本の地理風土をグーっと押し広げているなあ 司会役の女性の着ていた紅型が見たことないくらい、 大変美しい衣装だった。 江戸里神楽 紅葉狩 あら、背景は何だったろ お囃子の連座や舞台装置が豪華、あー、松でした。 だから何やら能舞台的、歌舞伎的でもあった。 これもまた時を掛けて里神楽を専門に行う氏子集団の プロフェッショナルな舞台 満席のお客さんは殆どが年配だけれど、若い方の姿も。 国立劇場は来年10月建替えとなるけれど、まだその外貌はよく分からず。外はどうあれ、中身が命。 来月の文楽、門左でござる♪ ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.01.23 19:11:15
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