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テーマ:読書(8265)
カテゴリ:本日読了
2023/03/06/月曜日/まだまだ寒い一日
この本は先日の旅に携行した。 他にもう一冊持ったが、こちら すら読み終わらず。 〈DATA〉 河田書房新社 / 著者 奥泉光 加藤陽子 2022年6月30日 初版発行 2022年7月30日 2刷発行 〈私的読書メーター〉〈小さい本だけど、ご両人と編集者の真摯な気合いがこもっている。本中に「軍人勅諭」と「国民勅語」の資料が収められ、更に解説コラム「ポツダム宣言」「終戦の勅書」の二つが入れられていることがそれを示す。これを〈先の戦争〉の我らが教科書と名付けたいくらい。奥泉光さんの『浪漫的な行軍…』小説家というのは凄いなあ、としみじみ感じさせられた。その本と田中小実昌『ポロポロ』が物語性の回避として多声の語りに触れ対比される辺り、ああこんな風に読んでいくのだな、と瞠目。読書マニアな加藤さんのカバー流石。山本七平山田風太郎つん読〉 先ず 奥泉光さんの 「はじめに」 ここが私には重要だ。 「国民国家」の語が何度か出てくるが、その事にどれだけ自分は意識的であるか、と考える。 近代に発明された「国民国家」を統合する方式とは 憲法と議会、それと軍隊である。と加藤さんが言う 国民という自覚を揺籃するための「義務教育」というものが一方にあると今の私は思う。 子らを学校に上げるその昔、少なくとも私はその事に自覚が乏しかった。 年齢が達したならば自明のこととして至近のガッコ に、あれこれ準備を整え通わせただけである。 何という無自覚、空っぽさ 第一子の入学では国旗掲揚は無かった、と記憶する。その卒業では国旗掲揚があり、第二子の卒業は全員起立の君が代斉唱と、随分な変化を目の当たりにした。第三子においてはその辺りに違和感すら持たない。 こうやって何も考えない訓練は進行する。 あ、気がつけば本の内容からも離れているような。 いやいや〈教育〉を亜〈軍隊〉として国民統合の柱化作戦かもしれぬではないか。 子ども側からの抵抗作戦は〈不登校〉、各地で繰り広げられる公教育からの子どもの逃走、過去最大 公園も道路からも彼らは閉め出され、道を歩けば 老人の暴走車に突っ込まれるのであるから、 もはや子どもはこの国に生まれて来ぬ。 かつて国体のために日本民族が全て滅んで良いとする極端な思想があったが 国民国家を維持するには、やはり諸外国からこの国に暮らしたい、と思う人びとに参加してもらわざるを得ないんじゃない? 人びとの自由な性にすら理解不能のフリーズ老人思考政権とそれに甘んじる行政マスコミは、結局押し寄せる津波の前でただ茫然と立ち止まる姿と重なり見える。3.11がすぐそこだ。 ハナシはとんだ。 対談のお二人は危機感を持ち、真剣に日本について戦争について歴史について資料と物語について語っている。 さて 物語を書くことにこんなに自覚的な作家が同時代にいることは、かつて大江健三郎がいたことよりはるかに尊い。 対談の場へ、書物を通して私も参加したい。 軍隊のない、つまり統合形式が一つ欠けた我が 国民国家、のアメリカ世からの自立はそろそろ国民レベルで検討する時ではないのかしら。 資源の無い災害頻発国ではスイスに見られるような国民一人ひとりの防災とサバイバル意識向上が今後期待される。 騙された国民、であってはならない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.03.06 22:04:12
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