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テーマ:読書(8291)
カテゴリ:本日読了
2024/05/18/土曜日/暑くなるらしい早朝
〈DATA〉 出版社 毎日新聞出版 著者 津村記久子 2023年3月5日 第1刷 2023年10月15日 第7刷 初出 「毎日新聞」2021年7月1日〜2022年7月8日連載、加筆修正 〈私的読書メーター〉〈読んで直ぐの感想は、じんわり発酵を待つ時間が失われるという一抹の寂しさがあるけれど。何しろ理佐と律の歳の離れた二人の姉妹の行く末が心配で、夜も眠れず瞬く間に読んでしまった。物語半ばに差し掛かった辺りで、瀬尾さんの『そしてバトン‥』読後の長年のモヤモヤが払拭された、というあらぬ方向の感慨を得た。おまけに梨木さん『村田エフェンデイ‥』のオウムが、川の瀬音の聞こえる町の水車小屋で働き者、知恵者ヨウムのネネに転生しているではないか。周囲の大人たち、亡くなった人も含め共に存在している感覚は今に生きる古典の妙を覚え。〉 津村記久子さんといえば、『ミュージックブレスユー!』が初読みで、もはや四半世紀近く昔。 いやはやエブリシングフロウズだなぁ。 津村さんは私より永遠に若いのだけど。 理佐キャラがすごく渋くて古風で、津村さんにしたらちょっと異質な。 もっとも理佐は今の時間を遡ること40年前の18歳だから、当年還暦間近、まじか。 この物語の最高クレッシェンドは理佐とパートナーの結びつく、あの発熱にあるのだろう。 二つの魂の素晴らしい出会い。 律のその後のパートはその熱が緩く解体していくようで、やや冗長になった印象も残る。 津村さん、こんな作家に育ったのか。『まともな家の子はひとりもいない』だっけ? それでも私たち、『とにかく家に帰ります』。 そこはヨウムの待つ水車小屋かもしれないし、絵描きのアトリエかもしれないけれど、生きていくのに必要なのはとにかくシェルターとしてのイエなんだ。 子どもへの眼差しはぶれない。イエス。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.05.18 07:12:23
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