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テーマ:読書(8265)
カテゴリ:本日読了
2023/12/26/火曜日/だんだん明るくなる
〈DATA〉 出版社 双葉社 著者 上田早夕里 2023年3月25日 第1刷発行 「小説推理」2021〜2022掲載の加筆修正 〈私的読書メーター〉〈金本位制ならぬ阿片本位制。そんな東南アジアの近現代史がよく分かるノワール小説。清朝末期の混乱が凝縮したような魔都上海を中心に、青幇と呼ばれる組織に関わりを深める黄基龍こと日本人ジロー。貧農を嫌い一旗あげようと辿り着いた上海で営む小商い。そこにやって来た謎の女が差し出す最上級の阿片種を巡り帝国軍秘密組織や青幇組織、国民党、雇われ暗殺集団などが入り乱れる抗争に英仏からの独立を目論む植民地国の動きまで、複雑な背景をすっきり読ませる。中国的擬家族の結束に招かれながら個人であることを選択するジローの新しさ、良し。〉 大英帝国とは恐ろしい妄想帝国だったのだなぁ。 インドを侵略、綿花プランテーションを建設し、現地の人間を安い労賃で奴隷の如くこき使い、植民地や同等の国々に売り捌く。 ところが対中国貿易では豊かになった英国国民のお茶の流行の背景もあり、赤字がかさむ。 時はアメリカ独立戦争の時代、戦争には金がかかる。そこでインドで作らせたアヘンを中国に蔓延させて巨富を得るべく動き出す。 狙い的中、中国人のアヘン中毒患者は年を追うごとに倍増していった。 本当に酷い。 モラルとか人間らしい心のカケラもない。こんな行為が彼らの宗教心にフィットするのか。そんな思想のたどり着く果ては不毛の極寒地だろう。 アヘンと共に恐ろしいのが金、なのである。 差配一つ、指一本で巨万の富を得て権力の上に立つ、そんなゲームが大航海時代から繰り広げられている。 そんな世界は要らない。 心穏やかな、慈しみあう世界を取り戻したい。 WHOのやっていること 財務省のやっていること まさにお薬と金、だと知る2023年末 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.12.26 15:15:08
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