カテゴリ:着物
彼が解体現場から持って帰ってきたことから始まります。 それまでは絣には興味があったのですけど それ以外の着物についてはなにもわかっていませんでした。 彼はそのとき持って帰ってきたものはゆかたが数枚に白絣が一枚、 それとひとつだけ、色鮮やかな帯が入っていました。 子供用の浴衣の帯です。 着物を解いたものを2枚柄の違うものを縫い合わせたものでした。 洗って解いてみると中からは、戦前の文字が入った手ぬぐいが 出てきましたが、それはあまりにひどい色になっていたので 処分してしまいました。 着物の生地の方もすれて薄くなっているところも多く 穴もあいていましたけど、その柄があまりにもよいので、 彼は友禅染だろうと、それを額に入れて飾ることにしました。 実は、その布こそが銘仙だったのだと 数日前に図書館から借りてきた本を見て知りました。 銘仙は、大正から昭和初期にかけて大流行した 着物なのですけど、今はもう作られていないんだそうです。 しけいとや玉糸と呼ばれる養蚕の不良糸を用いて織った織物で、 昭和初期の頃の矢絣銘仙は学生服として着られていました。 銘仙は古着市でも二流品以下として、 あまり流通していなかったのだそうですけど 今は、銘仙ブームで注目をあびているもののようです。 今は織られていない着物の生地だと知ると ますますその布がいとおしくなりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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