「竜の柩」は面白い。
私のお気に入りの本の一つをご紹介。 高橋克彦さんの「竜の柩」全6巻です。文庫本で2,450ページありますから、なかなかの長編ですが、面白いので、ついつい一気に読んでしまいます。 どんなお話かというと、うーん、何と言ったらよいのでしょうね。本の背中には、「伝奇」と書いてありますが、SFのようでもあり、考古学のようでもあり、本当に面白い。目次を見てみましょう。第一巻 ・プロローグ・津軽・飛龍眠土(ピラミッド)・信濃・龍神・出雲・奔流・ノアね、これだけでもワクワクすると思いませんか?津軽の十三湖から出雲へ龍の道をたどり、ノアの方舟に行きつくのですよ。第二巻・シヴァ・モヘンジョ・ダロ・アナトリア・アララト・エピローグ 「ノアの方舟」は、宇宙船だったのではないか・・・という話第三巻・プロローグ・炎の星・龍の王・新世界・招かれし者シュメールと日本が結びつきます。第四巻・故国へ・新生・帰還なんと、日本の縄文時代にやってきます。イザナミやスサノオとも出会い、それから、元の世界へ帰ることになりますが・・・第五巻・プロローグ・再動・懐旧・瑞光・迷夢現在に戻れたと思ったら、そこは明治時代で、まだ若い宮沢賢治や江戸川乱歩に出会います。そして、英国へ旅することになりました。第六巻・望みの地・幽霊都市・招霊・起点・エピローグコナン・ドイルなどにも出会い、ようやく主人公たちは、元の世界に戻ることができたのではないか・・・というところまで。こう書くと、滅茶苦茶な展開のようですが、読んでいる時には、すーっとこの世界に入っていくことができます。要するに、古代の地球で、龍を神とする民族と牡牛を神とする民族があって、ふたつの民族が争ってきたのだけど、その部族同士の戦いは、神々(宇宙人)の代理戦争のようなものであった。ということを書いているお話なんですよ。ところどころに、主人公が語る蘊蓄話があって、それが実に面白いの。今までに読んだ民俗学やUFO関連のお話、考古学、そしてオーパーツ、地名の由来、各地に伝わる神々の伝承など、盛りだくさん。メモしておきたいようなことがいっぱい出てきます。さて、お話は変わって、本の装丁に目を向けましょう。この龍の絵は、京都花園妙心寺法堂の天井に描かれた「雲龍図」がデザインされています。 かっこいいですね。ちなみに、元の天井画は、これ。 五巻と六巻は講談社文庫なので、表紙の絵が違います。 これまた、凄い絵です。これを写真に撮るまで気づかなかったのですが、この絵は「山本タカト」さんが描かれたものだったのですね。なんだか、この名前には見覚えがある・・・とおもって検索していたら、あら、私が持っている本の表紙が出ています。探したらありました。これ。 いつ買ったんだったかなぁ・・・ そうだ、Amazonで買ったはずだから・・・ ありました。アカウントサービスで、私がいつ注文したのかが、すぐにわかります。もう十年前になるんですね。小学生の頃に読んだときは、たしか子供向きに短くされていた本で、一冊にまとまっていました。それを読んでいたので、NHKの人形劇「新八犬伝」は、とても面白く見ていましたよ。「われこそは、たまずさがおぉんりょぉう」と言いながら出てきた怖い怨霊の人形が印象的でしたね。うむ?? そういえば、「新八犬伝」のDVDがあったような。 これこれ。上の方にいるのが「玉梓の怨霊」です。 この人形劇のおかげで、辻村ジュサブローさんという人形師を知ったのでした。それにしても、声優さんたち、大活躍でしたね。 DVDの方には穂積さんの名前がありませんから、関根さんが両方とも声を当てられたのでしょう。なんか、どんどん話が脱線しています。今日は、このくらいで。