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はじめての福島学 開沼博 2015年
「常磐線中心主義」では、著者の出身のいわきの事情がとてもよくわかりました。本書では、震災後5年目に入った福島の事情がよくわかりました。
新聞、テレビ、雑誌、ネットの太宗は、発信者の都合で誘導された事実の切り出しにより、関連する脈絡、事実が切り捨てられ、受け手は意味を誤認したままになり、多くの人にとって福島の実態はわからないままになっていることがよくわかりました。
思考狭窄・商業功名"角度"報道、非科学扇動言動・売名評論、復興予算目当ての収奪的勢力が、道を険しくしていることもよくわかりました。前近代的な人の弱みや混乱に乗じての騙りが全国に誤認を撒き散らしているかのような印象です。
そうした中で、まどわされずに着々と助け合い、時にそっとしておきながら、考え抜いて前進させる人々がとても立派に感じます。戦っているのは、震災だけでなく、日本全体が抱えている少子高齢化、産業・地域の空洞化などの凋落傾向であるとの事実の切り分けもよくわかりました。
福島を知るための25の数字は、いずれも予想外で、実態とかけ離れた事実誤認が蔓延している、わかっていないのは自分だけではなかろうと心配になります。やはり危うい情報環境に置かれているようです。
言論報道空間にヒステリックな反応を見ないで済むとよいですが。
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Last updated
Jun 28, 2015 10:02:37 AM
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