ロズベルグよりも速い!
現役のチャンピオンであるジェンソン・バトンが、ブラウンGPを飛び出したことにより、ドライバー市場は大混乱を極めてしまった。コバライネンはマクラーレンの指定席を失い、帰参するつもりだったライコネンをWRC陣営にに吹き飛ばした。そして、ライコネンをフェラーリから追いだしたのが、野心家のアロンソというのも因縁を感じさせる。 最終的には、バトンの穴をシューマッハが埋めることになった。この判断には賛否両論がわきあがったのに、引退していたシューマッハがロズベルグよりも速いというのはさすがというしかない。ウィリアムズ時代のロズベルグに歯が立たなかった中島が脱落したのも無理はない。そのロズベルグを寄せ付けない速さを持っているシューマッハの才能には驚かされた。 F1復帰の経緯をみると、マッサにシートを譲るために、いやいやながらF1を引退したことが理解できる。さらに、アロンソがフェラーリに参加すると、シューマッハの居場所がなくなる。フェルナンド・アロンソはアドバイザーとしてのシューマッハの干渉を認めないだろう。シューマッハはフェラーリと手を切った理由も理解できる。メルセデスがシューマッハ復帰を演出した理由は、はっきりしないけれど、バトンを上回る才能が転がってはいない。レースに勝たねばならないチャンピオンチームとしては、シューマッハという選択肢しかなかった。 フェラーリのアロンソ、マクラーレンのハミルトンとバトン、レッドブルのベッテルがシューマッハへの対抗馬になる。いずれにしても、開発が完了した2010年度型マシンが、メルセデスGPを上回るパフォーマンスを持つことが最低条件になる。マシンの性能が同等では、ミハエル・シューマッハはなかなか勝てる相手ではない。ロス・ブラウンの設計したマシンが失速するとも思えないから、そうとう厳しい勝負が待っている。