ブルックナー・イヤーの締めは
こんばんは、ほうとうです。 今年は生誕200年のブルックナー・イヤーですが、その締めとして交響曲第8番の公演を聴いて来ました。 交響曲第7番、第9番と後期の円熟期の大作を広響で聴きましたが、締めはワグナー・チューバや複数のハープ等が加わる第8番です。 東京駅丸の内北口のドーム 東京駅丸の内側駅舎 ということで、今回は8日(金)東京・サントリーホールで行われたトゥガン・ソヒエフ指揮ミュンヘン・フィルの公演を聴いてきました。 演奏するのはこの1曲のみで、楽譜は1890年第2稿のノーヴァク校訂版です。 ホール玄関前 今回の同オケのアジア・ツアーは、東京で2公演、北京で3公演、南京1公演、上海2公演となっています。もう中国での公演数が日本を圧倒しています。こんなところに経済状況がはっきり表れています。寂しい。 同オケで第8のノーヴァク版を演奏すると言えば、どうしてもセルジュ・チェリビダッケ(指揮者)を思い起こさずにはおれません。 玄関上の(からくり)開場オルゴール 扉が開く オルゴールが出た 1990年、チェリビダッケが同オケの来日公演において、このホールで同じ曲を演奏しているのですが、名演とされ、後にアルトゥス・レーベルからCD(ALT183/4)が出されました。 エントランス天井 ソヒエフもその演奏を意識せずにはいられなかったのではないでしょうか。非常にゆったりとした演奏で、腕時計を見ると、約95分掛かったようでした。1席飛ばして隣のおじさんは我慢できずにもじもじしていました。 でも、チェリビダッケは、かの演奏で約97分掛けています。また、彼の最晩年の1994年のリスボン・八角劇場(コリセウ・ドス・レクレイオス)のライブでは、99分43秒掛けています。 ホール内部 チェリビダッケの演奏は、時間を掛けていますが、丁寧でブルックナー休止をしっかり取り、ドイツらしいがっちりとした構成を表現していましたが、ソヒエフは、流麗な演奏を常にしていて、露仏系の演奏スタイルを打ち出していました。ただ、リハと少し違ったのか、オケメンバーに若干の戸惑いが見受けられました。 でも、このオケがマゼール(指揮者)の、サラっと一丁上がりの演奏スタイルから脱却できたのは良い事でした。 入口壁裏