本のタイトル・作者
小説 サイダーのように言葉が湧き上がる【電子書籍】[ イシグロ キョウヘイ ]
本の目次・あらすじ
音の出ていないヘッドホンをいつも身につける佐倉(チェリー)。
赤面症の彼は、いつも歳時記を持ち歩き、俳句をしたためてはSNS「キュリオシティ」に投稿している。
夏の間、腰を痛めた母の代打として、デイサービスでバイトしている。
ある日、ショッピングモールでぶつかった矯正器具を付けた少女―――スマイル。
ふたりのスマホが入れ替わったことから、ひと夏の交流が始まる。
引用
夕立のように言葉は降る混ざる
ことのはも花火も使いきれぬほど
サイダーのように言葉が湧き上がる
感想
2021年読書:175冊目
おすすめ度:★★
アニメーション映画の、監督によるノベライズ。
だから、多分に台本ぽかった。
夏らしい物語。
寡黙な少年が俳句でだけ心情を吐露できる。
この子、赤面症だけど、ほかに特に問題があるわけではない。
スマイルも、すくすく真っ直ぐ育った少女。
こんな近所で顔出しで動画配信していて大丈夫?と心配になる…。
心を開く、ひと夏の恋。
最後に米津さんの「花火」を流したい。
デイサービスのおじいちゃん・フジヤマさんの「思い出のレコード探し」を軸に、物語は進む。
ラストシーンは映画で見たいなあ。
俳句が道路沿いの看板に1文字ずつ描かれているの、いいですね。
言葉の逸る疾走感。
ビーバーが、俳句はライムだ、と言っていて、そういう捉え方もあるのかと思った。
いいですね、俳句。
私は詩がすきだけど、俳句の定型にぎゅぎゅっと詰めた感じ、この本の中では「写真を撮る」と表現されていた感じも味わってみたい。
歳時記は面倒な気もするんだけど…。
「プレバト」の俳句回見るの大好き。
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