本のタイトル・作者
絶対に面白い化学入門 世界史は化学でできている [ 左巻 健男 ]
本の目次・あらすじ
すべての物質は何からできているのか?
デモクリトスもアインシュタインも原子を見つめた
万物をつくる元素と周期表
火の発見とエネルギー革命
世界でもっともおそろしい化学物質
カレーライスから見る食物の歴史
歴史を変えたビール、ワイン、蒸留酒
土器から「セラミックス」へ
都市の風景はガラスで一変する
金属が生み出した鉄器文明
金・銀への欲望が世界をグローバル化した
美しく染めよ
医学の革命と合成染料
麻薬・覚醒剤・タバコ
石油に浮かぶ文明
夢の物質の暗転
人類は火の薬を求める
化学兵器と核兵器
感想
2021年読書:177冊目
おすすめ度:★★★
面白かった。
人間の歴史って、化学の歴史なんだな…とあらためて感じる一冊。
時系列順かと思ったら、テーマごとだった。
化学的な陶器づくりをはじめたジョサイア・ウェッジウッド。
その娘がスザンナ・ウェッジウッド・ダーウィン。
その息子がチャールズ・ダーウィンだって知ってた?!
(お金の心配がなかったから研究に没頭できたそう)
知らないことだらけで、「化学」が苦手な文系人間(私はこの本を読んでいる間、小難しい込み入った化学の話になって来ると数回睡魔に襲われた)でも楽しめた。
私は化学の名前が何から来ているかという言語学的なところに興味を抱いた。
こんな化学の授業だったなら、もう少し勉強したかも…いや、本筋ではないから化学は関係ないか…。
個人的には研究材料を何でも舐めちゃうカール・ヴィルヘルム・シェーレ(酸素を発見した人)が好きだな…。
それで死んじゃってるけど。
何が使えて、使えないのか。
気の遠くなるような試行錯誤と取捨選択。
ヒトが、ご先祖たちが積み上げて、繋いで、作り上げてきたもの。
今当たり前に享受している生活が、果てしない犠牲と努力の上に成り立っていることに気付く。
そして、身のまわりに普通にあるものが、ほんの百年やそこら前には、なかったことに驚く。
私は、死ぬまでに何かを「発見」することはないだろうなあ。
誰かのおかげで、より便利になる世界。
そして、より残酷になる世界。
その均衡をどう保てばいいんだろう。
ひとりとして、化学とは関係のないところで(けれど強固に結びついて)、私は生きていく。
正しいほうの天秤に、重りを載せられるよう祈りながら。
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