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2021.09.06
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テーマ:読書(8208)
カテゴリ:【読書】未分類

本のタイトル・作者



六人の嘘つきな大学生 [ 浅倉 秋成 ]

本の目次・あらすじ


5000人の応募から、IT企業スピラリンクスの最終選考に残った6人の大学生。
全員に内定を出す可能性もあるという、1か月後のグループディスカッションに向け、6人は親交を深めていく。

ーーーこのチーム全員で同期になろう。

しかし当日、2時間半のディスカッションの場に用意されていたのは、人数分の封筒。
ひとつ封筒が開くたび、明らかになっていくそれぞれの「悪事」。
封筒は、誰が用意したものなのか。
犯人は、誰なのか。

人は、人を見抜くことが出来るのか。

引用


だからね、やるしかないんですよ。この馬鹿馬鹿しい、毎年恒例の、頭の悪いイベントをね。
『将来的に何をやらせるのかは決まっていないけど、向こう数十年にわたって活躍してくれそうな、なんとなく、いい人っぽい雰囲気の人を選ぶ』
日本国民全員で作り上げた、全員が被害者で、全員が加害者になる馬鹿げた儀式です。完璧なんて目指せるわけがないです。


感想


2021年読書:183冊目
おすすめ度:★★★★

面白かったー!
Twitterの読書アカウントの人々が続々読んでいて、口々に面白かったと言っていたので読んでみた。
正解…。続きが気になって一気に読んじゃった。

2019年。就活から8年後。ひとりの死という「結論」が分かっているはじまり。
そこから当時、2011年の回想。
2019年のインタビュー。
2011年の封筒の中身。
そして「犯人」による、謎解き。

構成も良かったし、内容も良かった。
犯人だと思った人が犯人じゃなかったり、犯人がそもそも犯人なのか?という話や、「うわこいつ最低やな」と思った人が、最後になってみれば、「はじめから読み返したらこの人こういう人だったのか、ずっと」と思ったり。

空白だった封筒に、何が入っていたのか。
その繋がりには、最後まで気付かなかった。

これを読んで、就活生だったころのことを思い出す―――。
恥辱の限り。
東京への夜行バスに乗り、ヒールで足を痛めながら、慣れない場所を歩き回る。
ぺらぺらと嘘を吐き、話を盛り、さも自分が有能な人物であるように売り込んだ。
過大広告も甚だしい。
弱みを聞かれたら、とりようによって強みに見えるように答えましょう。
何の話をしたのだっけ?
よくもまあ、私を採用したものだな。
と、何とかもぐりこんだ今の会社で思う。

今年昇格して、私にも採用側のお鉢が回ってくるようになった。
この人たちはこれで、人生が決まるのだ。
私の印象で。たった数十分の受け答えで。
初めに抱いた責任感は、人数をこなすうちに霧散する。

新卒の、判で押したように繰り返される同じ回答を、ニコニコ笑ってうんざりしながら聴く。
途中採用の、自分より年齢も経験もはるかに上の人へ、何様のつもりだと自分に突っ込みを入れながら質問する。

どうだろう。短い時間でも、その人となりの性格の欠片は垣間見える。
それがすべてではないにしろ。
そんなふうに感じた。
たぶん、完璧に演じ切ることは出来ないのだ。
素の自分の上にコーティングしたものから、地が見える。
そこを目を眇めて見る。
多分に個人の嗜好が反映される基準に照らし合わせて。

月の話が出てくる。
月が表しか見えていない、裏側は見えない。
けれど、月はきれいだ。裏側を知った後でも。

誰かのことを「こうだ」と思うとき。
自分のことを「こうだ」と思うとき。
月の裏側のことを思い出そう。
きれいだ、と無邪気に言える時期を過ぎても。
ただそのことを知っているだけでいい。
またいつか、きれいだと思えるかもしれない。


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最終更新日  2021.09.06 04:29:49
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