庭にやって来る虫の種類とその数は、年によりかなり大きく変動する。例えば、今年はスズメバチ科のハチ、コマルハナバチ、ツマグロヒョウモン、ヒトスジシマカが少ない。逆に、ルリシジミは例年よりもかなり多いのではないかと思う。
ヒトスジシマカが少ないのは大変難有いが、コマルハナバチが少ないのは何とも寂しい。コマルハナバチは毎年我が家の通風口(ベランダへの出入り口の直ぐ上にある)に巣を作り、6月には新女王も出てブンブンと大層賑やかなのだが、今年はシーンと静まりかえっている。
コマルハナバチが少ないのは、我が家の通風口に巣を作らなかったせいばかりではない。この辺り全体として少ないのである。毎年5月になれば、何処の御宅のサツキにもかなりの数のコマルハナが来るのだが、今年は1頭も来ていないことが多かった。
それでも、時折コマルハナの働きバチがやって来る。普通ならば余りにありふれていて撮る気がしないのだが、こう少ないと、せっかく来たのだから撮ってやろうと言う気になってしまう。
ビョウヤナギの花の周りを飛び回るコマルハナバチの働きバチ
(2008/06/09)
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撮影したのは1ヶ月程前である。些か旧聞に属すが、何卒御寛恕被下度候(ナニトゾゴカンジョクダサレタクソウロウ)。
後脚脛節外側には花粉をシッカリ貯めている(2008/06/09)
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コマルハナが吸蜜・花粉収集に来ているのは、ビョウヤナギの花。余り好きになれない花だが、自然に生えて来たのでその儘にしてある。茶花になると言う人も居るが、こんなものを茶花として採って来たら、茶人であった祖母は黙ってそのまま縁側に投げ棄てたであろう。
花にしがみつくコマルハナバチの働きバチ.ビョウヤナギは
花糸が長いので、ハチとしては止まるのに苦労する(2008/06/09)
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コマルハナバチが少ないのは、ヒョッとすると、以前掲載したマルハナバチに寄生する
オオマエグロメバエが増えたせいかも知れない。実は、今年も通風口の下で羽化したばかりのオオマエグロメバエを見付けたのである。恐らく、通風口の中で越冬していたコマルハナバチの新女王(寄生により死亡)の体内から出て来たのであろう。死んでしまった新女王は、寄生されていなければそのまま通風口に巣を作り、今年の「家のマルハナちゃん」になった可能性が高い。
このオオマエグロメバエは羽化に失敗したのか翅が異常に短く、シャーレの中に入れて置いたら次の日にはもう死んでいた。オオマエグロメバエは中々見映えのするハエ(普通のハエの形ではなく、ハチの様な姿をしている)だが、「家のマルハナちゃん」に寄生するのは何としても許し難い。