イノベーションのジレンマ/クレイトン・クリステンセン
イノベーションのジレンマ 増補改訂版【電子書籍】[ 玉田俊平太, Clayton M. Christensen, Harvard Business School Press ]楽天で購入アマゾンへ行く序章□ 優れた経営が失敗につながる理由1.「持続的」技術と「破壊的」技術の間には、戦略的な違いがある。2.技術の進歩のベースは、市場の需要が変化するペースを上回る可能性がある3.成功している企業の顧客構造と財務構造。その企業がどのような投資を魅力的と考えるか□ 破壊的技術□ 破壊的な技術と合理的な投資1.破壊的製品のほうがシンプルで低価格、利益率も低い2.新しい市場や小規模な市場であること3.大手企業にとって最も収益性の高い顧客は、当初使えないこと□ 破壊的イノベーションの法則との調和1.原則1:企業は顧客と投資家に資源を依存している ・顧客と投資家を満足させる投資パターンを持たない企業は生き残れない ・小規模な新しい市場で強力な地位を開拓するために必要な財源と人材を自由に配分できないこと2.原則2:小規模な市場では大企業のニーズを解決できない ・先駆者として大幅な優位を保てることが実証されている ・小規模な組織のほうが、小規模な市場での後期に容易に対応できる。3.原則3:存在しない市場は分析できない ・持続的技術では、追随者も先駆者も実績は変わらない4.原則4:組織の能力は無能力の決定的要因になる ・組織の能力は、その中で働く人材の能力とは無関係だ ・組織の能力は2つの要素によって決まる。「プロセス」と「組織の価値基準」である。 ・多くの場合、高性能、高利益率の市場を目指して競争するうちに、当初の顧客需要を満たし過ぎたことに気づかない。 ・現時点ではナンセンスな破壊的技術を企業のなかで真剣に受け止め、しかも、利益と成長をもたらす現在の顧客ニーズをないがしろにしない事である。第一章 優良企業が失敗する理由□ 新規事業に参入するという戦略的決定が遅れた□ 新技術によって新しい用途の市場が生まれるとしたら、新技術を導入したからっといって既存製品が侵食されるとは限らない。□ 破壊的イノベーションは、技術的には簡単なものである□ 性能を高め、軌跡グラフの右上の利益率の高い領域に達する事を目的としてきた。□ 大手企業には顧客に束縛されていたため、破壊的技術が現れるたびに、新規参入企業が既存のリーダーを落とすことになった。第二章 バリュー・ネットワークとイノベーションへの刺激□ 製品の設計はDECそのもの□ 「抜本的イノベーション」と「従来の技術力をもとに築かれた「斬新的イノベーション」を区別することがある。□ まったく異なる知識体系を必要とする変化に関して、すでにほかの業界などで別の階層的知識体系を蓄積してきた企業に比べ、実績ある企業の方が不利だという。□ 顧客が必要としなければ、技術的には簡単なイノベーションでも、商品化は不可能と判断した。□ 「バリューネットワーク」ステップ1:破壊的技術は、まず既存企業で開発されるステップ2:マーケティング担当者が主要顧客に意見を求めるステップ3:実績ある企業が持続的技術の開発速度を上げるステップ4:新会社が設立され、試行錯誤の末、破壊的魏z筒の市場が形成されるステップ5:新規参入企業が上位市場に移行するステップ6:実績ある企業が顧客基盤を守るために遅まきながら時流に乗る□ 破壊的技術が軌跡によ沿って改良され、市場の需要と交差するかどうかである。□ バリュー・ネットワークの要因は、ネットワーク内の顧客ニーズへの対応に伴うコスト構造である。□ 破壊的イノベーションが複雑なのは、既存企業の基準に照らしてみた場合、その価値や用途が不透明だからである。□ 実績ある企業が直面する最も強固な障壁は、企業自身がそこに入りたくないと考えていること□ 検討すべき点 ・そのイノベーションにかかわる性能指標が、すでに企業が属しているバリュー・ネットワークのなかで評価されるかどうか。・イノベーションの価値を実現するためにほかのネットワークに参入したり、新しいネットワークを設立する必要があるかどうか。・現在は顧客ニーズに応えられない技術が、いずれ応えられるようになるかどうか。第三章 掘削機業界における破壊的イノベーション□ 最も有力な主流顧客が、関心を示さなかったのである□ イノベーションへの努力は、すべて既存の顧客のために行われた□ 変化から利益を得るための戦略の違いが、新規参入企業と実績ある企業の姿勢を特徴づけている□ 安定経営のパラダイムは、破壊的技術を扱うには役立たない。それどころか、逆効果であることが多いのだ。第四章 登れるが、降りられない□ 破壊的技術が実績ある企業にとって危険であり、新規参入企業にとって魅力的なのは、上位への移動性があるためだ。□ どこかに市場があるはずです。□ 既存顧客が明確に示しているニーズや、まだ顧客になっていない既存ユーザーのニーズにしぼったプロジェクトは、かならず、存在しない市場向けに商品開発する企画に必ず勝つ。□ まだ1台も売っていません。まだ市場がないからです。□ 下位への移動に対する強力な障害・上位市場が魅力的である・顧客の多くが上位市場へ移行する・下位市場で利益をあげるためにコストを削減するのが難しい□ 保守的、後ろ向き、リスク嫌い、無能第二部 破壊的イノベーションへの対応□ 破壊的イノベーションに直面したときに優秀な経営者がいつも判断を誤った背景1.資源の依存。実質的に、顧客が支配している2.小規模な市場は、大企業の成長需要を解決しない3.破壊的技術の最終的な用途は事前にわからない4.組織の能力が、無能力の決定的な要因になる5.技術の供給は市場の需要と一致しないことがある□ 優位にたてたのか1.破壊的技術を開発し、顧客の持つ組織に組み込んだ2.小さな機会や小さな勝利にも前向きになれる小さな組織に任せる3.失敗を早い段階にわずかな犠牲でとどめる4.主流組織のプロセスや価値基準は利用しない5.破壊的製品の特長が評価される新しい市場を見つけるか、開拓した第五章 破壊的技術はそれを求める顧客を持つ組織に任せる□ 企業になにができてなにができないのかを実質的に決定するのは、企業の顧客である。□ 破壊的技術が出現したとき、とにかく破壊的技術を追求する□ その技術を必要とする新しい顧客の中で活動させる□ 組織の力と戦うのではなく、調和すること□ 企業の投資を顧客が支配するメカニズムは、資源配分プロセスにある□ 組織の非経営参加者の決定□ 完全に独立した組織部門を新設第六章 組織の規模を市場の規模に合わせる□ 対象とする市場に見合った規模の組織に組み込む□ 先頭に立つか、追随者で行くか□ 破壊的世代のディスク・ドライブが現れてから二年以内に、新しいバリュー・ネットワークに参入した企業は、それ以降に参入した企業に比較して、成功する確率が6倍に上る。□ 破壊的製品の発売とその販売対象となる市場の開拓をリードしたか□ 小規模な新しい市場に参入することによって成長を求める企業は、大規模な市場を求める企業の20倍売上を計上している□ 新しい市場は、小さい規模で利益を上げられる。□ 市場がうまみのある規模に拡大するまで待つ□ 経営者がプロジェクトの成功する確率を大幅に高めるには、参加者全員が、組織の将来の成長と利益のために重要だと考える環境で、プロジェクトを進めるようにすればよい。□ ごく小規模の企業を使う□ 新しい市場に早い時期に参入すると、莫大な収益と、先駆者ならではの優位が得られる。第七章 新しい市場を見出す□ 最大の間違えは、市場に関する自分たちの予測を正しいものとして行動したことだと認めている。□ 素晴らしい人々、ホンダに乗る□ 持続的技術への投資は、内在するリスクが大きいとしても、市場のニーズを理解できるため安全だと判断することがある□ 意思決定者のほとんどは、市場がないため、失敗するかもしれないプロジェクトを支持するリスクを避けようとする□ 破壊的技術のばあいには、慎重な計画を立てる前に、行動を起こす必要がある□ 予想外の成功が現れることがある□ 市場への発見志向の探索に出かけることによって、新しい顧客と新しい用途に関する知識を直接身に着ける必要がある。第八章 組織にできること、できないことを評価する方法□ 目的に合った組織の選択、構築、準備にもすぐれた手腕を発揮する必要がある□ 組織にできることとできないことは、資源、プロセス、価値基準の三つの要因によって決まる □ 資源のインプットを、価値の高い商品やサービスに変換するとき、組織は価値を生み出す□ 組織が価値を生み出すメカニズムそのものが、本質的に、変化をこばむものである。□ 組織の価値基準とは、仕事の優先順位を決めるときの基準□ 文化は協力的なマネジメントの手段になる。文化があれば、従業員は自主的に、一貫した行動をとりものだ。□ 経営者は組織が新しい仕事に適していないと判断した場合・・別の組織を買収する・プロセスと価値基準を変えようと試みる・独立した別組織を新設し、育てる□ 能力ある人材を能力のある組織に配置することは、経営者にとって重要な責任である第九章 供給される性能、市場の需要、製品のライフサイクル□ 確立された市場をしたから浸食する可能性が出てくる□ まだ市場の需要を満たしていない他の性能指標が重視される。□ 機能、信頼性、利便性、価格□ 破壊的技術のその他の一貫した性質1.破壊的技術の弱みは強みでもある 新しい市場を見つけるか、開拓しようとする2.破壊的技術は確立された技術より単純、低価格、高信頼性、便利第十章 破壊的イノベーションのマネジメント□ 最初のターゲットに向かって事業を進めるうちに、さらに優れた方向性が見えてくる□ 市場は、顧客が所有したいと思う魅力的な製品によって開拓される□ 市場がなければ、顧客から信頼性が高い確実な情報は得られない。□ 顧客のニーズに応える製品がなければ、市場もあり得ない□ 魏z筒によって供給される性能が市場の実際のニーズを超えると進化自体が循環する□ 独立組織のスピンオフ□ 自律的な事業部門□ 独立起業の新設第十一章 イノベーションのジレンマーまとめー1.今のところ顧客に役立つとは思えない製品、つまり破壊的技術が明日にはニーズに応えられるかもしれない2.必要な資金と人材を獲得した改革案には、成功の可能性がある 知識と直感を磨いて行使し続ける必要がある。3.現在の破壊的技術の特性を評価する新しい市場を開拓すること4.破壊的技術によって生み出された新しい市場は、それぞれの次元で、まったく別の能力を必要とすることが多い5.破壊的技術によって成功を求めるには、試行錯誤が必要である6.破壊的イノベーションの場合、先駆者は圧倒的に有利であり、リーダーシップが重要である。7.実際ある企業の慣習的な経営知識が参入や市場移動の障害になることは間違いない「イノベーションのジレンマ」グループ討論の手引き□ 破壊的技術の原則1.企業は顧客と投資家に依存している2.小規模な市場では大企業のニーズを可行けるできない3.存在しない市場は分析できない4.組織の権力は無能力の決定的要因となる5.技術の供給は市場の需要と等しいとは限らない