カテゴリ:洋ロック・ポップス
幻のプロモ盤
グリン(Grin,参考過去記事(1) ・(2) )での活動を経て、ニルス・ロフグレン(Nils Lofgren)は1975年にセルフタイトル盤をリリースしてソロ・デビューを果たす。この年、プロモーション目的で非売品として制作されたのが、本盤『バック・イット・アップ!!~公式ライヴ・ブートレグ(Back It Up!! Nils Lofgren Live: An Authorized Bootleg)』であった。やがて1970年代末と1980年代半ばにはニルスの本領発揮のライヴ作『稲妻の夜(ナイト・アフター・ナイト)』と『ニルス・ライヴ!~コード・オブ・ザ・ロード』(どちらも2枚組で内容充実の盤だった)が出ることになるが、それ以前は本盤が唯一のライヴ作品で、しかも非売品というものであった。ラジオ等で聴くことはできてもアルバムは流通していない(実際には海賊盤もあった)という、幻の盤だったわけである。 かくいう筆者もずっと気になりつつも入手できず、長い長い年月が経ってしまっていた。2007年にアメリカでついに正式盤がCDリリースされたのだけれど、残念なことにジャケットはオリジナルとは異なっていた。その後、2014年になって日本盤がリリースされ、ついにオリジナルのアートワークが紙ジャケで復刻された。今となっては懐かしい感じのブートレグよろしく白黒印刷の紙が貼り付けられているというものである。 ライヴ盤といっても、内容はスタジオ・ライヴである。まだ20歳代前半だったニルス・ロフグレンの演奏はフレッシュで、特別ゲストとしてアル・クーパーがキーボーディストとして参加している。曲目は、同年のソロ作の収録曲を中心にしながら、グリン時代のナンバー(1.の冒頭の「今宵は映画に」、6.「ライク・レイン」、7.「ベガーズ・デイ/ソフト・ファン」)を組み合わせている。ほとんどの曲が後々の彼のライヴの主要レパートリーであるが、本盤の聴きどころとしていくつか挙げておきたい。 冒頭の1.は、グリン時代のナンバー(「今宵は映画に」)を枕にして、ソロ作所収の「バック・イット・アップ」を長めの尺で演奏している。2.「キース・ドント・ゴー」はキース・リチャーズに捧げられたナンバーで後々のライヴでも聴かせどころになった曲。5.「ゴーイン・バック」はジェリー・ゴフィンとキャロル・キングによる曲のカバー。6.「ライク・レイン」はグリン時代の曲の中でも個人的にお気に入りの一つ。興味のある向きは、上記の2014年度再発の在庫がまだ巷に流通しているようなので、今のうちに入手をお薦めする。 [収録曲] 1. Take You To The Movies Tonight / Back It Up 2. Keith Don't Go (Ode To The Glimmer Twin) 3. I Don't Want To Know 4. The Sun Hasn't Set On This Boy Yet 5. Goin' Back 6. Like Rain 7. Beggars Day / Soft Fun 1975年リリース。 バック・イット・アップ!!〜公式ライヴ・ブートレグ [ ニルス・ロフグレン ] 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017年05月27日 08時25分34秒
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