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書評日記  パペッティア通信

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Oct 8, 2005
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hitoduma


最近、時事ネタをメインにとりあげた私が悪いのですが、
本は読んでいるのに、なかなかこちらのブログで紹介できません。

おまけに、読んだものがつまんない本だったりするとなると、
さすがにレヴューできません。字数を埋められないことくらい分かっているから、なかなか取りあげる気にならないのですよね。そうなると、本棚には、未紹介本がたまる一方になってしまう。
困った。

そんな本の在庫一掃を目的に、新コーナーをつくってみました。
その名も「タダでもいらん!」

栄えあるその第一回、
最初の栄誉に輝いたのは、

堀江珠喜 『「人妻」の研究』
齋藤慎一 『戦国時代の終焉 - 「北条の夢」と秀吉の天下統一』
であります。


● 堀江珠喜 『「人妻」の研究』 ちくま新書


いや、読みましたよ。
「一盗二婢三妾四妻」ですって?

たしかにいいえて妙。
自分の妻より他人の妻。
メイドさんとの恋の方が、妻相手より萌えるでしょうね。

マルクス的にいえば、自分の妻は、夫にとって使用価値はないけど、
他の男にしてみれば交換価値が高いという事態の出現。

そこで、「人妻」というのは、なぜかくも魅力的なのか、と筆が進められてゆくのですが、所詮、同じ妻において、交換価値と使用価値に分裂があるはずもない(シャドーワーク論を使わなくても、搾取を数理マルクスで証明できるんじゃないか、これ?)。まさしく、既婚女性への男性の「幻想」が、この日本でいかに紡がれて来たのか。その詳細な研究にしか、なりようがありません。

結論。人妻は「都合がいい女」
最後の「あとがき」に至って、
さも斬新な知見を得たかのように言わないでほしい。
そんなのすべての「女性像」が、男の都合のいいもんに決まってるでしょうに。

んでもって、
その「幻想」の行方を「文学」「雑誌(?)」で追跡しようというのですが、
これまたタルイ。

だいたい、文学も雑誌も、とりあげるのは「奇人変人」と相場が決まってる。
一人さみしく男日照りで死にましたなんて、「雑誌」にのせてごらんなさい。
編集長、首ですがな。

事例の一つ一つが、どれくらい「特異」「普遍」なのか、
読んでいてさっぱりわかんないんだね
、これが。

明治や大正の一般的な男女関係なんて、いったい誰が想像つくんでしょうか。
それでいて、なぜか上流階級の「人妻」「夫人」の変遷がつむぎだされてしまう。
正直、その粗雑さには、とてもたえられない。
タダでもいらん!

最後、来るべき「結婚しない時代」の「人妻」についてだけ、
現代社会についての分析がなされるのも、とても変な感じ。
それまでの明治・大正時代は、文学・雑誌のみで、
ちっとも社会について論じてなかったくせに。

てか「人妻AV」を論じなければ研究とはいえないのではないか??

後ろのいかにも「芦屋マダム」でござい、な著者近影も、なんかやだ。
どなたか、面白いという人の感想を聞いてみたい。


評価 ★☆
価格: ¥777 (税込)




●  齋藤慎一 『戦国時代の終焉』 中公新書


これも、なんだかなあ。
いや、良心的なつくりなんですけど、何かが間違っている、てな本なんですよね。
なんか、中公新書の編集部が、勘違いしているとしかおもえない。
最近、こんな本ばっかしや、このレーベルは。

「秀吉VS家康」の小牧・長久手の戦い。
その裏で、北条家は北関東で「沼尻の戦い」をしていたのです。
そんだけ。

本当に、そんだけなんで、わたしは頭をかかえてしまった。
いや、この本を評価できる人は、世の中にそれなりにいるでしょう。
そんなことは、さすがに分かってます。

「北条家」の夢、関東制覇。
それが、1584年から1589年にかけて、どのように潰えさっていったのか。
沼尻の合戦は、200もの史料がありながら、ほとんど注目されていなかったらしい。

それまで、復元されていなかったから、政治・軍事過程を復元しました、
との触れこみ。

実際、その復元された姿は、圧倒的に濃密で、手堅い。
徳川・北条・豊臣の交渉の連続は、手に汗握りますよ
偶発的な事件が、大騒動にまで発展して、北条家は滅んでしまう。
一次史料の書簡に基づいているだけに、その復元は迫真に満ちていて
とても面白い。

でも、たった5年なんだよね、それ。
しかも、外交交渉が中心。
いったい、そんな本書いて、どうするんだろうね。

そもそも、北条家って、どんな戦国大名なのか、
この本からは、まったく、みえてこないんですな。
なんで、北条家家臣団って、こんなにまで統制が利いていないんですか?
なんで、いちいち、北条家は反応が遅いんですか。

そもそも、関東武士って、どんな存在なのさ。

こんな基礎的なことが分かっていない人は、どうすりゃいいんだろうね。
わたしも、大雑把にしか、よくわかんないんだけど。
北条家「官僚集団」ゆえの鈍重さって理解でいいんですか?
教えて、日本史のエロイ人。

異常に専門的・個別的な新書の体裁の割には、
全体理論は、藤木久志「惣無事令」をマルマル下敷きにしている
というのも、われわれをナエナエにしてくれます。

てか、それを再検討・修正を意図する気がないのなら、
こんな実証レベルのみ肥大化した本を書いても、意味ないんでないかい?
「沼尻の合戦」を中心にスポットライトをあててみました、
以上の何があるのか、さっぱりわかりません。

関東から日本史を書き換える?
まさか。

専門の人でもないかぎり、とてもお勧めできませんが、
専門の人でも、何がすばらしいのか本当に説明できるのか?
それがよく分からないのですよね。

どなたか、解説もとむ。


評価 ★★
価格: ¥798 (税込)


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追伸  「物限大賞」選考の予定は、さすがにありません。
      念のため。





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Last updated  Oct 9, 2005 12:59:29 AM
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