華氏911 <追記あり>
話題のマイケルムーア作品「華氏911」を見ました。ここ1年、映画といえば1ドル映画館か図書館で借りることが当たり前になっていた私。6ドル以上も払って映画を見るなんてもったいない!という気持ちが働いて、ついつい出遅れてしまいました。私の彼は最後まで「1ドル以上払ってまで見たくない」と言うので、結局一人で映画館へ足を運びました。館内はまあまあお客の入りも良く、半分以上のお客はブラックでした。映画は特に驚くような内容ではなく、ほとんどが既に本やネットで聞いたことのあるもの。いくら隠そうとしたって、これだけのネット社会で情報が漏れないわけがないですよねえ。ただ、そのせいでどれが真実でどれが偽りなのかが分からない。ほんと混乱します。私はマイケルムーア信者ではないけれど、この映画を頭ごなしに否定する人たちに「まずこの映画を観て、そして自分の頭で考えろ」と言いたい。「あれも嘘、これも嘘」と否定することに一生懸命になる前に、現在起こっていることにもっとしっかり目を向けて欲しい。それから、この作品自体には特に感動したわけでもないですが(正直、なぜカンヌでグランプリを取れたのかちょっと不思議)、危険を顧みず自分の言いたいことを世界に向けて発信する彼の勇気は素晴らしいと思いました。<追記>雑誌でマイケルムーアのインタビューを読みました。カンヌで審査員のタランティーノが「アカデミーでのスピーチを映画で立証したのは君が初めてだ」と言ったそうです。アカデミーで彼は「我々は虚構の世界に住んでいる。虚構の選挙で選ばれた虚構の大統領」というようなことを言いました。確かに彼の映画は、このスピーチを立証しようとするものですね。今、彼の「Dude, Where's My Country?」を読んでいるところです。焦点は「華氏911」と同じなのですが、ディープさが全然違う。「華氏911」がいかに規制を受けていて、彼がどれほど映画の中で遠慮しているか、というのが分かります。「Dude, Where's My Country?」の中に書かれていることのどれほどが真実なのか分かりませんが(彼自身が推測していることも多い)、「もしこれが真実なら」と思いながら読むと恐ろしくて仕方ありません。読みながらとっても興奮してしまって、その度に私の彼に議論をふっかけています(笑)彼が危険を覚悟で公開した華氏911。その目的はただ一つ。DVD発売も意図的に一般選挙前の10月に設定されているようです。今度の大統領選挙どうなるんでしょう。