しかし、仮に千島列島が日本に返還されたとして、どのように活用していけばいいのだろう? そんな疑問が、ふと頭をよぎりました。
産業面から言うと農業ははっきり言って期待薄。寒流(それこそ千島海流だ・笑)の影響で、夏季は最高気温でも20度に届かない状況。コメなんて育つわけがなく、野菜あるいは花卉の栽培か酪農ぐらいしかできなさそうです。そもそもこの地域に住んでいたアイヌはラッコやオットセイの狩猟で生計を立てていたというから、農業とは相容れない地域なのでしょうね。
でも、ラッコやオットセイがいた(と過去形で書かねばならないのは千島のオットセイが絶滅状態だからだ)ということは、これらの餌となる海産物が豊富な証拠。根室の漁船がしばしばロシアに拿捕されるのもまた千島の漁場を目当てだと考えられます。その意味では、国後島の古釜布や択捉島の紗那、あと幌筵島の柏原などは、漁業基地、あるいは海産物の生産拠点として多少の発展が見込めそうです。また、根室、羅臼、紋別など、北海道オホーツク海沿岸の港町も、漁場が広がり景気が上向くかな? と思います。
漁業の他にある程度の需要が見込めそうなのは、観光業。無人地帯が多く今なお手つかずの自然が残されておりまた火山帯に属しているが故に温泉も豊富。復帰と同時に殆どの地域が知床国立公園に編入され「知床千島国立公園」になるものと思われます。
ただ、問題になるのが、アクセス手段。択捉島に国際空港を建設する動きがありますが、その代わりにこれまで国後島にあった空港が閉鎖の運びになるとか。やはり、有人島すべて(といっても、定住者がいる島は色丹、国後、択捉、幌筵の4島だけですが…)に空港が欲しいところです。また、ソ連→ロシア時代の政策だったのか島内の集落が一箇所に集められている状況のため、道路の整備が遅れています。なんでも、殆どの道路が未舗装だとか。従って、思い切ったインフラ整備が、必要になってくるでしょう。となると、観光業以前に建設業に特需景気が見込めるのかな(笑)
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