5757197 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

CAPTAINの航海日記

CAPTAINの航海日記

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

「有名であること」… New! 七詩さん

みすまだかお とは… 目玉おやじさん

ワイルドキャットの… f4ffmさん
私の故郷は 「ふく… おばかんのさん
SALT OF THE EARTH slash555さん
「きのうの常識はき… santaro-さん
☆Pure mind☆ ☆pure mind☆さん
新時事爺 楽天_幽さん

Freepage List

Headline News

Calendar

Category

Profile

CAPTAIN

CAPTAIN

Comments

CAPTAIN@ Re[1]:なんか、腰が重い(05/21) >七詩さんへ アドバイス、ありがとうご…
七詩@ Re:なんか、腰が重い(05/21) 体重の負担等で関節の軟骨がすりへってい…
CAPTAIN@ Re[1]:調べましたねぇー(05/19) >lavien10さんへ いや~暇人なもので(…
lavien10@ Re:調べましたねぇー 東京が一番地方みたいな駅名が多く繋がっ…
CAPTAIN@ Re[3]:福島県、2040年の県立高校(執筆予告)(05/08) >情報提供さんへ この話題、当ブログで…
2016.03.02
XML
テーマ:The入院生活(373)
カテゴリ:企画モノ
今朝も、昨日と変わり映えしない空模様。周囲の地面には雪がうっすらと積もっています。
でも、天気予報によると、明日以降は一気に春本番の陽気に恵まれるとのこと。まるで私の退院を祝うかのような…と表現するとあまりにもジコチューだけど、軌を一にするようにという点が少し嬉しくもなります。
そう言えば、右足の痛みもだいぶ鎮静化しており、歩くことはもう普通にできるようになりました。ただ、じっと立っていると時折痛むことがあるでしょうか。明日退院することは医師を通じて看護師にも伝わっており、「あと少しですね」などと言われる機会も増えてきました。
ところで、退院が決まったからかどうかわかりませんが、昨日まで午前中にやっていた点滴が、今朝は来る気配がありません。私の右足は点滴を必要としないほどに回復しているのかなぁ? そんな自惚れが頭をもたげる中、昨晩妻がイチオシしてくれた「みちのくテクテク一人旅」を手に取ります。

タイトルを改めて見てまず思ったのが、この本、NHKで放映されていた「街道てくてく旅」のローカルバージョンだよね、ということ。全国ネットでやっていた面白そうな企画にちょっと乗ってみた感がアリアリで、また、本家の「街道てくてく旅」では旅人の訪れる機会がなかった秋田県民の悔しさめいた感情も若干伝わって来ます。
余談ですが、本家の「街道てくてく旅」では2007年の秋に四元奈生美が奥州街道を東京から仙台まで歩いていて、街道沿いにあるうちの町も訪問しています。更に手前味噌なエピソードを白状すると、沿道で四元に声援を送っていた当時3歳の下の子が四元とハイタッチする様子が思いっきり放映されており、放映時のDVDは我が家の家宝でもあります…閑話休題。
話を「みちのくテクテク一人旅」に戻すと、著者は秋田県出身で千葉県在住。2008年に仕事を定年退職したのを機に水戸から秋田市までを歩こうと思い立った次第。何故そのルートなのかと言うと、関ヶ原の戦いの2年後に行われた佐竹氏の転封の跡をできる限り辿りたかったとのこと。ここで佐竹氏…やはり、どこまでもローカルバージョンなのであります。
ルートの詳細を紹介すると、水戸市から国道349号線を北上して福島県へと入り、東白川郡を縦貫して泉崎村で奥州街道に合流し、途中松尾芭蕉を意識した寄り道を試みながらも宮城県蔵王町宮まで北上。宮からは笹谷街道を通って川崎町、更には山形県山形市へと入り、山形市以北は羽州街道をひたすら北上するというもの。笹谷街道は現在でこそ仙台市~川崎町~山形市を結ぶ国道286号線の別称として使われることが多いのですが、本来は宮~川崎町~山形市を結ぶ街道であり江戸時代には羽州街道を補完する経路として参勤交代や出羽三山の参拝などに活用されていた経緯があります。
道中では、「街道てくてく旅」のように補助するスタッフは誰もつかず(だから「一人旅」)その日の移動はすべて徒歩であり宿泊先も現地の温泉宿かビジネスホテルという徹底ぶりに驚いた次第。旅行中にかかった費用も公表しており、今後同様の旅を試みる人たちの良き参考資料として活用されそうです。また、何故か地震に見舞われることが多く、極めつけは横手市内のホテルで岩手・宮城内陸地震に遭遇するという災難に。旅先での人々との出会いについても事細かに触れられており、予想以上に中身の濃い本でした。
で、うちの町が登場する部分は、奥州街道を北上するくだり。福島市中心部からいったん奥州街道をはずれ芭蕉を意識して飯坂温泉に投宿後、奥州街道に戻る際に立ち寄っていました。伊達氏のことを調べたくて公民館を訪問し、学芸員のIさんから詳細な説明を受けたようです。また、笹谷街道ではなく羽州街道を経由して山形県入りすることが可能かどうかも調べていて、一応可能という結論には至りましたが、最終的には佐竹氏が通ったとされる笹谷街道経由へのこだわりが勝ったようです。うちの町から小坂峠を越え宮城県七ヶ宿町を経て山形県置賜地方へと至るルートは伊達政宗の正室・愛(めご)姫が三春から輿入れする時に通ったとされ佐竹氏の転封当時においても「幹線」ではありましたが、読後にスマホで調べてみると、当時は七ヶ宿町と上山市とを結ぶ金山峠が未整備だったため、奥羽山脈を越える際は笹谷街道を利用するのが主流だったようです。

思いがけず「みちのくテクテク一人旅」にハマってしまった勢いで、昼食前に「羽州街道をゆく」を読み始めます。点滴は、まだ来ません。

「羽州街道をゆく」の著者もまた、秋田県出身。刊行当時(2002年)は地元で登山家やライターとして活躍されていたそうです(後で調べてみたら昨年亡くなられたとのことです。ご冥福をお祈りいたします)。内容は桑折町から青森市油川までの長きにわたって続いている羽州街道のルート及び沿道の宿場町や峠の紹介に終始しており特段興味を引くものではなかったのですが、読んでいて感じたのは、そもそも何故そのような長大な街道が形成されるに至ったのかという疑問でした。今の高速道路網を見ると、東北自動車道の村田ジャンクションから山形自動車道、北上ジャンクションから秋田自動車道がそれぞれ分岐していて、羽州街道の後継路線たる東北中央自動車道の建設は後回しにされている状況。江戸時代だって参勤交代路を集約すれば各藩の街道整備費用だって縮減できたはずだし、どうしてそのようにしなかったのだろう…と。
でも、その疑問は、すぐに打ち消されます。だって、青森県西部を治めていた津軽氏は、岩手県や青森県東部を治めていた南部氏と仲が悪かったじゃないか。一昨日読んだ「『県境』の秘密」でも、津軽氏と南部氏が領土の境界に競い合うように土を盛った藩境塚(同書では「おっぱい山」という表現をしていました)のことが紹介されていたっけ。不仲であれば参勤交代時に一触即発の事態になるのは避けるはずで、津軽氏の参勤交代路もまた南部氏の領土を避けたものにならざるを得ません。となると、佐竹氏が治めていた秋田県を縦貫する街道が整備されるのは必定で、更にその先は峠道が比較的険しくない山形県へと入るルートが形成されることになります。
更に想像(妄想?)を進めると、佐竹氏と宮城県を治めていた伊達氏の関係もまた、かつて福島県内で刃を交えた経緯があり、必ずしも良好とは言えません。だから宮城県内を参勤交代路とするのは厳しい事情を抱えていたのに加えて、佐竹氏が転封の憂き目に遭ったのには関ヶ原の戦いで徳川家康と対立した上杉氏との友好関係が疑われた背景もあるため、上杉氏が治めていた山形県南部を参勤交代時に通過することは将軍家を敵に回しかねない行為でもありました。結果、上杉氏の領土の少し北に位置する上山で奥羽山脈を越え、伊達氏の領土の端っこの七ヶ宿(なお、七ヶ宿は関ヶ原の戦いの時点では上杉氏の領土だった)をを掠めるように通って伊達氏の影響力が及ばない桑折宿で奥州街道に合流するルートが、津軽氏や佐竹氏はもちろんのこと、山形県内に拠っていた中小の大名にとっても当時は合理的なものであった(だって、街道の整備は津軽氏や佐竹氏にお任せすればいいんだもんね)のだと結論付けた次第。まぁ、専門家の方からすれば、こんなの牽強付会だと一笑に付すでしょうけどね。

昼食後もまどろみながらそんな想像を巡らせていると、看護師が私の許に申し訳なさそうな顔をしてやってきました。
「すいません。医師の先生が指示を出し忘れていたそうで、午前中に行う予定だった点滴を今から行います。あと、昨日まで夕方にやっていた点滴も、時間がズレてしまいます。大体午後9時ぐらいになるかな?」
やれやれ…


んだんだブックス【ショップ内で500円クーポン配布中!】羽州街道をゆく/藤原優太郎【2500円以上送料無料】





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2016.03.05 12:50:35
コメント(0) | コメントを書く
[企画モノ] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.