ＣＡＰＴＡＩＮの航海日記

今月初めに書いたこちらのエントリの続きで、今度は会津と浜通りの状況について調べてみました。前回と同じく「2019年版　福島県高等学校名鑑」で確認可能な限り※１「進学先３校(以下)で40％以上」に該当する中学校を列挙すると、こんな具合になります。

【会津若松市】
若松一中　会津工16.0％(83)　葵14.3％(74)　会津12.9％(67)　計43.2％(224/519)
若松二中　会津16.2％(51)　葵14.6％(46)　会津工12.4％(39)　計43.3％(136/314)
若松三中　会津17.6％(73)　会津工12.3％(51)　若松商10.4％(43)　計40.2％(167/415)
若松五中　会津工17.0％(81)　若松商15.3％(73)　葵11.3％(54)　計43.7％(208/476)

【喜多方市】
喜多方一中　喜多方27.7％(89)　喜多方桐桜24.6％(79)　喜多方東13.4％(43)　計65.7％(211/321)※２
喜多方二中　喜多方27.9％(95)　喜多方桐桜23.5％(80)　喜多方東10.6％(36)　計62.1％(211/340)※２
喜多方三中　喜多方桐桜29.3％(80)　喜多方24.2％(66)　喜多方東15.8％(43)　計69.2％(189/273)※２
会北中　喜多方東31.1％(19)　喜多方24.6％(15)　計55.7％(34/61)※２
塩川中　喜多方桐桜25.8％(70)　喜多方14.4％(39)　会津9.2％(25)　計49.4％(134/271)※２
山都中　喜多方18.5％(12)　喜多方桐桜18.5％(12)　喜多方東10.8％(７)　計47.7％(31/65)

【耶麻郡】
北塩原一中　喜多方東22.2％(10)　喜多方20.0％(９)　計42.2％(19/45)※２
西会津中　西会津21.9％(33)　喜多方17.9％(27)　喜多方桐桜10.6％(16)　計50.3％(76/151)
猪苗代中　猪苗代20.6％(55)　会津工11.6％(31)　会津学鳳10.1％(27)　計42.3％(113/267)

【大沼郡】
高田中　大沼24.0％(69)　葵12.5％(36)　若松商12.2％(35)　計48.6％(140/288)
金山中　川口59.4％(19)　計59.4％(19/30)※３
昭和中　川口55.0％(11)　計55.0％(11/20)※３

【南会津郡】
田島中※４　田島34.3％(81)　南会津18.2％(43)　計52.5％(124/236)※２
荒海中　田島36.2％(21)　南会津20.7％(12)　計56.9％(33/58)※２
舘岩中　只見23.5％(８)　田島11.8％(４)　南会津8.8％(３)　計44.1％(15/34)
南会津中　南会津74.3％(75)　計74.3％(75/101)※３
下郷中　田島42.4％(61)　計42.4％(61/144)※３
只見中　只見67.0％(75)　計67.0％(75/112)※３

【いわき市】
中央台南中　磐城21.7％(100)　いわき光洋13.5％(62)　磐城桜が丘12.6％(58)　計47.8％(220/460)
桶売中　小野53.3％(８)　計53.3％(８/15)※３

【双葉郡】
川内中　ふたば未来学園69.2％(９)　計69.2％(９/13)※３
楢葉中　ふたば未来学園28.1％(18)　四倉14.1％(９)　計42.2％(27/64)※２

【相馬市】
中村一中　相馬41.2％(179)　相馬東21.9％(95)　新地10.1％(44)　計73.3％(318/434)※３
中村二中　相馬東33.2％(73)　相馬22.7％(50)　新地15.9％(35)　計71.8％(158/220)※２
向陽中※５　相馬35.9％(142)　相馬東13.1％(52)　相馬農7.8％(31)　計56.8％(225/396)※２
磯部中　相馬34.8％(８)　相馬東21.7％(５)　新地13.0％(３)　計69.6％(16/23)※２

【南相馬市】
原町一中　原町38.3％(126)　小高産技28.0％(92)　相馬農17.0％(56)　計83.3％(274/329)※２
原町二中　原町36.7％(101)　小高産技28.4％(78)　相馬農13.5％(37)　計78.5％(216/275)※２
原町三中　原町42.3％(44)　相馬農16.3％(17)　小高産技16.3％(17)　計75.0％(78/104)※３
石神中　原町33.7％(85)　小高産技33.7％(85)　相馬農14.3％(36)　計81.7％(206/252)※２
鹿島中　小高産技26.6％(78)　原町20.8％(61)　相馬東15.7％(46)　計63.1％(185/293)※２
小高中　小高産技40.6％(41)　原町22.8％(23)　相馬東6.9％(７)※６　計70.3％(41/101)※３

【相馬郡】
尚英中　相馬31.3％(82)　新地24.0％(63)　相馬東19.8％(52)　計75.2％(197/262)※２

※１　同書には、上位10校の出身中学校までしか掲載されておらず、11位以下の中学校を確認することはできない。従って、進学率が高くても進学者数が少ない小規模校の存在を見逃している可能性が高いことに留意されたい。
※２　２校で40％超を達成。
※３　１校で40％超を達成。
※４　2017年に統合した田島中と檜沢中の合算値。
※５　2017年に統合した向陽中と玉野中の合算値。
※６　相馬農も同数で３位に入る。

会津に関しては、細かく地域を見ていくと、特に喜多方市周辺と南会津郡で比率の高さが非常に目立ちます。会津若松市も比較的高い比率で、少なくとも福島市や郡山市に比べれば進学先の高校が限定される状況となっています。
その一方で、ちょっと意外だったのですが、会津若松市郊外の旧北会津村や旧河東町、あと河沼郡で40％を超える中学校が確認できませんでした。会津盆地内の高校が会津若松、喜多方両市の中心部と会津坂下、会津美里両町に集約されている関係で、その中間に位置する旧北会津村や旧河東町、また会津美里町のうち旧本郷町や旧新鶴村、河沼郡の湯川村では、進学先が各地域に分散する傾向が見られます。また、河沼郡の会津坂下町は地元にないタイプの高校を求めて、会津若松市や喜多方市へと進学する傾向があるようです。
浜通りに関しては、相馬地方の比率が非常に高く、上位３校で70％超えがほぼ当たり前という状態になります。進学校と実業系高校の配置バランスが良いことが、この結果を招いているのかなと推察します。また、双葉郡では、ふたば未来学園が地元の生徒を確実に捉え始めており、今後住民の帰還が進むとともに郡内の基幹校として機能することが予想されます。
一方、いわき市では、40％を超える中学校が二つにとどまる結果に。一見高校の選択肢が多いようにも見えますが、高校の配置が「進学校＝北部偏重」「実業系高校＝南部偏重」という相馬地方とは対照的な状況であることも影響しているのかなと推察します。特に市南端の旧勿来市では20キロ以上離れた先にある磐城高校への進学者が比較的多いのですが、この地域に進学校系の高校が設置されていたならば、進学状況はかなり変化していたのではないでしょうか。

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