∞ My Life As A Nomad ∞

今日は友人に首を絞められる夢を見て目覚めた
あ～～～恐かったーーー
ま、でもこの人ならやりかねない・・って人だから納得。
このごろ連絡してないからなぁ。。。後で電話でもしてみっか。

この人↓　この犬と猫と戯れているオバサマ。



私の愛する大好きな友人。セラップジャン。

トルコのある業界にて彼女を知らないものはいない・・・。
ある時は政治学の助教授、ある時はプロの通訳ガイド、ある時は新聞のコラムニスト、
またある時は撮影コーディネーター、そして良き医者の妻であり一児の母でもある。
5ヶ国語を操る他、犬や猫とも会話ができるのに、限りなく機械と相性が悪いローテク人間。
いまだにPCもメルアドを持たないくせに、なぜか仕事はじゃんじゃん入ってくる。

スバ抜けて頭が良く、百科事典のように物知り。
大のわがままで、恐ろしいまでに強欲で、そして大嘘つき。
でも彼女は悪意とは無縁の人だ。毒舌の裏にはただただ無限大の愛があふれている。
彼女の魅力を一言で語るのは難しい。こんな人、他に見たことがないからだ。
人は彼女を『化け物』と呼ぶ。まさに『化け物』にちがいない・・・・。

彼女と何がきっかけでこんなに仲良くなったのかは覚えていない。
初対面の時はとにかく恐かった。変な片言の日本語で何か怒鳴られた気がする。
その低くドスのきいたかすれ声、ギラリと光る眼力、ただずまい。。。
女？男？分からなかった。でも胸があった。多分女だ・・・と判断した。
そのうち一緒に働いているうちに、気がつけば彼女は生活の一部となっていた。
「こんばん、あなたは、私の家にくるよ。一緒にゆうしょくを食べる。わかった？」
「あした、いっしょに○○にいきます。わかった？」
そんな感じで、いつも強引に人を巻き込んでくれるのである。人の予定なんてお構いなし。
予定があるっていっても、「そっちの約束、キャンセルするよ。わかった？」
でも、彼女と過ごす時間は、子供の頃に戻ったように懐かしくって幸せな時間だった。
そして本当の意味で人生の楽しみ方を教えてくれた人だ。
何をするにも100％。命一杯遊び、命一杯ガッツで仕事をする人だった。

ただし、彼女との仕事は心臓がいくつあっても足りないほどスリリングだった。
明日撮影隊がやってくる・・って時になっても何一つ準備していない。
必要な予約も、下見も、打ち合わせも、なにもない。いつもぶっつけ本番だ。
日本のTV局から「ちゃんと、段取りはokですよね？」って確認の電話がかかってくる。
「ええっと・・ちょ、ちょっと待ってください、セ、セラップがつかまらなくって・・」

そんな時、セラップはたいてい別荘でのんびりさくらんぼなんかを摘んでいるか
海で泳いでリゾートしているのである。
「ちょっと！あの件どうなってるのぉ～セラップさぁ～ん！！」
「ああ、あれね。やってないけどなんとかなるよ。」
「ええーっ！！明日だよ、明日　なんとかなるわけないじゃぁぁん！！」
「もう、うるさい！あんたたち馬鹿な日本人とは仕事したくないよ！」
　プチッ、ツー、ツー、ツー・・・・

ああ、もう駄目だ・・と思ったこと幾度。。。
しかし、これがまた不思議となんとかなるのである。
これぞセラップ・マジック
準備してるところなんて見たことないのに、いつも仕事は大成功。
これも彼女の人柄によるところが多い。
どんな小さな村に行っても、彼女の信者が大勢いていつでも彼女を加勢する。
靴磨きの少年から、知事や政治家まで、みんなが彼女の虜だ。
大金持ちなくせに、いつも粗末なボロを着て移動は一番安いバスと決めている。
レストランでもらった残飯ビニールを片手に歩いては、そこら辺の野良犬・野良猫に配給する。
はっきり言って、上野公園のダンボールに住んでいる人達と何ら変わらない外見。
なのに、どこにいっても声がかかる。
「セラップ姉さ～ん」

そんな彼女、私が長い滞在生活を終え日本に帰ることを告げると、開口一言。。。
「そうか。あなたの家の家具。あれらはどうなる？私にくれ。」

・・・・え・・　ええーっっ

「寂しくなるわ。」とか「いつまでも友達でいようね。」とかじゃないんだぁああ！

これには、びっくりしました。。。はい。。。

なんとも憎めないそのずうずうしさ。。。。
でも最後に見送ってくれた時、あの彼女の目から涙が沢山こぼれていた。
鬼の目にも涙・・・
本当に、何が悲しかったって、彼女と別れるのが一番悲しかったよ。
私にとっては良きお母さんでもあり、良き友達でもあったからさ。
いつトルコに行っても、彼女はいつでも家を開けて私を迎え入れてくれる。
どんな困ったことがあっても、絶対に手を差し伸べてくれる。
同じ家族の一員として、いつでも。そんな人。
私だからってわけじゃなくって、彼女には誰にでもそうなんだよね。
私は彼女みたいな化け物キャラにはなれないけど、
そのフトコロの大きさとか、いい加減さとか、愛情深さとか、
本当に大きなものを学んだと思う。本当に知り合ってよかった、大好きな自慢の友達！