リラクゼーション現場にこっそり潜り込み、色々観察して1週間が過ぎます。
すごく面白いです!!!
特に、タイ古式マッサージは知れば知るほど奥深くて魅せられます。
背景に古代インド医学や仏教の影響があり、中医学に通じますねぇ。
例えば12経絡の流れに似たエネルギーラインや、5行や気・血・水の考え方がそのままある。
東洋医学ということでほぼルーツは同じなのでしょう。アジア万歳
今のところ数日間の研修では20分コースの流れと技術のみさらっと身に付けただけ。
一応20分コースの接客は可能だけど、
タイ・マッサージは最低でも1・2時間かけてやるのが普通で、
本場タイに行けば1日かけて色々な技を施すところもあるそうですよ~~。
経営スタイルやマネー・フローもなんとなく分かってきた。
経営者はリラクゼーション産業というより、スナックやキャバレーなんかの接客業界のプロ。
組織の上部はその風貌、ただずまいが80年代の地方の場末スナックの雰囲気を彷彿させてる!
ちょっと怖そうだけど、実際話してみると皆、無茶苦茶あたたかくて良い人達だーー!
スタッフの女の子達も皆可愛くて良い子ばかり。
若い子はギャルではなく根本的にヤンキーっぽいのがまたいいっす。
似たようなものだけど、私の中ではギャルってのは自分のことしか考えないキャピキャピさんで、
ヤンキーは仁義を大切にし真面目に働く子が多いと思う。雇用するならヤンキー派です。
この数日で現場で気がついたことをまとめてみました。学ぶこと多いです。
●リゾート地でのリラクゼーション産業の利点と弱点(タイ式マッサージの場合)●
メリット
● 医療行為と違うので業務登録の手続きが簡素で、仕入れもなく資金も少なくてすむ。
● リゾートホテル内の場所委託契約なので、ある程度の顧客獲得が約束される。
● タイ式マッサージは指圧とストレッチが主で、揉まないので筋繊維などの損傷もなく優しい。
● 座位での施術なので、指圧の際力が入りやすく安定感がある。
● ストレッチ等全身での施術になるので、施術者のエネルギーの循環も良くなる。
● 技術研修後、即実践→実務経験を即時得られる
● 確実な客の獲得と回転の速さ→売り上げと技術習得には最大メリット
● 客はリゾート気分で財布の紐も緩んでいるので、単価を高く設定できる。
● 客層は若年層~中年のどちらかといえば健康体の人が多く、施術事故は起こりにくい。
● 一回限りの客が毎日入れ替わるので、評判を気にしなくても良い(同時にデメリットでもある)
● よほどおかしなことをしない限り、大抵は「ありがとう」と満足してもらえる。
デメリット
● リゾート地での集客は入浴後就寝前の20:00~24:00がピーク。夜型勤務必須。
● タイ式マッサージは中座で施術するので、施術者は腰を痛めやすい。
● 客の回転が速く休む時間もないので、腱鞘炎や腰痛などになりやすい。
● 問診にかける時間がないので施術リスクが潜む(内外傷、妊婦、マッサージ禁忌疾患等)
● お酒が入っている客もいるということが治療院との徹底的な違い。
酔っ払いの対応などの余計なストレスが多い。
● あくまでも一回限りの癒しにとどまり、治療ではないので
治療家を目指すものとしては物足りない。やりがいを感じられない。
取り入れられる模範的要素
1.客の5感を満たす環境:
視覚=どこか懐かしいアジアの雰囲気、行灯を使った柔らかい照明、可愛い女の子
聴覚=α波を高める癒し系サウンドBGM
触覚=掌の人肌の温度→精神安定効果
臭覚=焚きつめたお香
味覚=マッサージ後のアジアのハーブティ
2.清潔な環境と気持ちの良い接客
3.サービス産業としてのビジネス展開と戦略
4.従業員を大切にする姿勢(使い捨てとは考えていない)
改善が必要な要素
(従業員教育)
1.施術者の局所的、解剖学的知識。リスクマネージメント
(しかし経験が長い人は知識ではなく実践で身につけているので、感覚的によく分かっている)
2.技術のスタンダード化
(一定の研修を終えるとあとは個人に任されるので、定期的に技術を統一、向上する必要有)
3.タイ式マッサージについて、東洋医学的知識の伝授
(せっかくなら歴史や効果、背景となる思想などを学び、興味のある客に伝授できれば好ましい)
つまり結論からいえば、
経営者の視点でビジネスとして考えた時、リゾート地におけるリラクゼーション産業は
圧倒的に効率が良く投資やリスクも少ない利点を持つ。
しかし、クオリティー維持には従業員の教育と能力の流出を防ぐ環境作りが大切。
治療家として技術を磨きたい人間には、あくまでもリラクゼーション域にとどまるため
仕事としてのやりがい、自己達成感は得がたい。
「衣・食・住」が主体であった従来の産業に、+αするものとして
「心・技・体」に関する産業が注目を浴びています。
確かに最初私はビジネスとしてこういう産業に注目していたんだけど、
鍼灸を勉強してゆくうちに、やはり治療家としての意識が呼び起こされ、
単なるリラクゼーションを展開するだけでは物足りなく感じる自分に気づきました。
それに、こういったビジネスは流行り廃りもあるので、お金だけ考えるのなら、
執着せずに2・3年でスパッと違う事業に移行するような切り替え能力というものも必要です。
でも、やっぱり仕事はお金よりも、やりがいですよね。
色々ありますが、良いところ悪いところすべて今後の勉強になり楽しいです