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前編「28歳の革命」同様、チェの視線で淡々と 物語は進む。 しかし、大きな違いは、輝かしい栄光ではなく、 悲惨なラストが待っていることを、誰もが知って いることだ。 映像の雰囲気も全く異なり、ひたすらボリビアの ジャングルを彷徨するチェらのゲリラ隊が延々と 描かれる。 住民の賛同も得られず、裏切られ、部隊からの 脱走者からも情報が漏れる。 「今さら学習は必要ない。ただ坂道を転げ落ちて いくだけだ」と言うゲリラ部隊の兵士。 喘息の発作に苦しみながら、乗っていた馬に いらだちをぶつけるチェ。 重苦しい場面が延々と続く。ラスト近くの ボリビア軍のゲリラ包囲網のシーンは圧巻。 どうあがいてもゲリラの勝利はないことが 一目瞭然。 ラストの処刑の場面。いきなりチェの視線に 映像は切り替わる。前編、後編を通じて一貫して、 チェに寄り添い、背景の説明を省いた映画に ふさわしい。 エンドロールもまったく無音なのがもの哀しい。 29歳の革命では、今ひとつだと感じたデル・ トロの演技も、今回の後編では、チェ・ゲバラ その人にしか思えない迫真の演技。 キューバで得た権力を投げ捨ててまで、つらい ゲリラ戦に赴くチェの生きざまを目の当たりに して、彼の人気の秘密が理解できた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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滑り込みセーフで28歳革命をみてきました。
39歳をみるのはちょっと辛いですが・・・ こんなにカッコイイ人は今どこにもいないような気がします。 20世紀少年、マンマミーア、楽しみな映画が目白押しです。 (2009年02月04日 21時40分20秒)
今年に入ってから見る映画がどれも重たいテーマの物ばかりなのですが、ラストシーンがすべてを語る!ということを嫌ってほど思い知らされてます。
「28歳」のラストも途中で切った割りにはよく出来ていましたし、 「39歳」も余韻が残るいい終わり方でした。 処刑シーンはいきなりチェの目線になるのですごく怖かったです。 耳鳴りの音まで再現してましたよね。 今でも耳に残っています。 (2009年02月05日 02時12分28秒)
28歳と39歳ではいろんな点で全く対称的な映画です。
でも、一貫してチェの視点でドキュメンタリーのように 映画が進んでいくところは一緒ですね。 マンマミーアも楽しみですね。 (2009年02月05日 05時09分32秒)
処刑シーンのあの音はチェの耳鳴りの音だったのですね。
気づきませんでした。 撃たれて死ぬのは痛いだろうなと想像しながら 見ていたので、本当に恐かったです。 (2009年02月05日 05時12分02秒)
こんにちは
わたしが小学生の頃、ゲバラの死は確実なものでしたが、どのように処刑されたか・遺体の在り処はどこだったかは伏せられたままでした。 革命児サパタ、アラビアのロレンス、ゲバラ 彼らは「いつか必ず帰ってくる」と信じていた人々もいたそうです。 わたしはゲバラとキャパが「20世紀のいい男」の双璧だと思っています。 (2009年02月05日 12時51分44秒)
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