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森田理論学習のすすめ

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2014.08.29
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森田正馬全集5巻676ページより引用します。

亀谷氏があるノンダクレの男に、いくら飲むなといっても聞かないので、やり方を変えて「少々飲んだっていいじゃないか。今日は思い切って飲んだらどうだ」と毎日勧めた。
すると気がとがめると見えて、一週間ばかり一日も飲みませんでした。
自分でも飲んではいけないと思いながら、飲まずにおれないので、飲むなというとなおさら飲みたくなるのですね。

大変面白い話です。これに対して森田先生の言葉。
酒を飲みたいと思えば、飲んでは悪いと考え、飲んではならないと考えると、ますます飲みたい、飲みたいという心が起きる。
この欲望と抑制の反対の心は、我々の心に常に発動するものであって、私はこれを精神拮抗作用となづけている。
これは引力と斥力とのようなもので、一方が強ければ、その反対の力も同じ強さで働くようになるものである。
この自然の欲望に対して、ことさら反抗しようとするのが、強迫観念の性質であります。

全くその通りですね、
私はこの精神拮抗作用については、よく学習して生活面の指針として応用していくことは大変重要であると思っています。
意識付けとして、机の上に「やじろべい」を置いておくことも提案してきました。

しかし老婆心ながら申し上げると、これは基本であり、原則です。
法律には原則というと必ず例外規定というものがあります。
こういうことも学習しないといけないと思います。

たとえばアルコール依存症、薬物依存症、ギャンブル依存、性犯罪者の人を見てみてください。
そんなことを繰り返してはいけないということは、みんな十分に分かっています。
覚せい剤使用のASKA被告のように分かっていても手が出てしまう。
自分の意志だけではどうにもならない人たちなのです。
その人たちは、そういうことを繰り返すことによって、脳の快楽中枢のA10神経にその時の快感がすっかり刷り込まれているのです。
つまり常習者ということです。それなしでは生きていけないのです。
自分一人ではどうにもならない。自然に体が反応してしまう。

だから、精神拮抗作用でバランスをとる、調整するといっても、自分が苦しんでいるその部分では、制御不能に落ち込んでいるのです。
いわばブレーキが故障している状態にあります。アクセルとブレーキのバランスとるということがどだい不可能な状態です。

だから、そういう人たちには、強制的にそういうものから遠ざけるということが必要です。
あるいは回復のための専門医の治療が必要だと思います。
そうした自助グループへの参加が効果的です。
やみくもに森田の原則を応用すると、バランス感覚を失っている人にとっては、反発を招くだけになってしまいます。依存症に陥った人も適切な処置を経て回復していくことはできます。
この点は是非充分に注意していただきたいと思います。
そうでないと、その人たちに私たちの「かくあるべし」を押し付けてしまうのです。





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Last updated  2014.08.29 07:09:44
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